「正義とポリシー 事実と虚構 緊張と弛緩」由宇子の天秤 ぼんばぁさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とポリシー 事実と虚構 緊張と弛緩
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本作は、あまりに深く、重い。
由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、事実を追い求める。マスコミによって都合よく切り貼りされた情報、虚構の混じったSNSの情報でなく、自らの足で事実を追うのがドキュメンタリーディレクターとしての正義(あえてポリシーと言えよう)。
ところが、ある日突然の父親の告白によって、そのポリシーが揺らぐ。さらに、事態は単にその告白だけにとどまらない。
何が事実で何が虚構なのか。
由宇子は追い詰められ揺らいでいく。
本作では、由宇子の腕時計が印象的だった。
これに対する由宇子の振る舞いは、自身の気持ちを如実に表しているように思う。
また、作中での緊張と弛緩も強烈だった。
ほっこりするシーンは微笑ましいのに
シリアスな場面では息をすることさえ苦しくなる。
由宇子の人間らしい一面と、ディレクターとしての割り切った一面。
とても衝撃度の高い作品だった。
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