「意外に話はしっかりしている」胸が鳴るのは君のせい Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
意外に話はしっかりしている
開始5分で主人公がフラれる斬新な展開なの。ここから『両想いすれ違い』にもっていく豪腕がすごかったな。
ただ巧いとは思ったけど、告白場面のカタルシスには欠けるんだよね、有馬くんの告白タイミングも「はあ? ここ?」と思ったし。
浮所飛貴(有馬役)はまだ演技ができないんだよね。だから白石聖をあてて、なんとかしてもらおうっていう。そこは徹底してて、白石聖のシーンが圧倒的に多いの。有馬くんのシーンは台詞少ないしね。
脇も固めたね。長谷部役の板垣瑞生はうまい。麻友役の女優さんもうまいなと思ったら原菜乃華なんだね。これは、もっとやれるはず。ほとんど良さが出てない。
まあそれ言ったら白石聖だって良さを抑えてるんだろうな。浮所飛貴に合わせて演出するから、みんなそんな本気で芝居はできないんだと思う。
ストーリーは恋のライバルが登場し、主人公は何故かイケメン二人にもてもてという少女マンガらしい展開。恋の戦いを仕掛けるライバルと、戦えない主演二人という設定もあるあるでいい。しかし、有馬と板垣が体育授業のサッカーの試合中に胸ぐらをつかんでたけど、そんなこと実際にしたらグランドどよめくよ。「なんだ、なんだ」って。
途中で「この主人公、実在したら、ちょっとウザいんじゃないかな」って気もしたの。物語中だからもてるけど、実際にいたらどうなんだって。
この主人公のように振る舞おうとして、ウザくなってしまう人は一杯いると思うんだけど「そんな私がイケメン二人にもてもて!」という夢が叶うから、少女マンガとして良いんだろうな。
はじめは主人公のことをなんとも思っていなかった有馬くんも、途中からちょっと気になりだすんだよね。これ観てて、なんとも思ってないときの有馬くんはカッコいいんだよね、素っ気ないし。でも気になりだしてからはカッコよさが落ちる。素っ気なさが消えるからね。
やっぱりモテようと思ったら頑張って素っ気なくしないとなんだな。でもモテる人って、モテ慣れてるから素っ気なくなってるだけなんだよね。難しい。
色々あるけど、少女漫画原作映画はある一定の面白さあっていいよね。