劇場公開日 2020年12月11日

  • 予告編を見る

「ものを捨てるなら捨てるなりの覚悟を持て」ハッピー・オールド・イヤー せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ものを捨てるなら捨てるなりの覚悟を持て

2021年1月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

.
スウェーデンでミニマリストの思考を学んだジーンが実家をミニマムなオフィスに改造するために家を大掃除する話。
.
基本的にこのジーンの女優さんって表情の変化があまりないので、映画の冒頭で家のものを容赦なく捨てまくるジーンがどこかサイコパスに見えてくる。実際、捨てたものをもう一度確認してみると人から借りっぱなしになってるものがまぁ出てくる。チェロ修理するって預かってそれを返してないってなかなかやばい(笑).
.
ジーンは昔のことを切り捨てて忘れたふりをすること問題と向き合わずに生きてきた。それと対象にものを捨てられないジーンのお母さんは、ずっと過去のしがらみから前に進めていない。
.
ものを持つのも捨てるのにもそれなりに責任が伴って、ミニマリストだからって簡単にものを捨てれば良いという訳では無い。ものを捨てるなら捨てるなりの覚悟を持てということがジーンの最後の涙から伝わってくる。
.
劇中でミニマリストの考えは日本発って言って日本人の女性がものを捨てるレクチャーをする映像が出てきたけど、それと相反する「もったいない」っていう言葉も日本独特の言葉っていうのがなんとも。
.
同じような映画で『100日間のシンプルライフ』ってのも同時期に公開されてたけど、こっちのが好きだな。あの人達がコンテナに入れてたものの中に大切なものは本当に他になかったんだろうか?.
.

せつこん