「思ってたのとは違った」ヒトラーに盗られたうさぎ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
思ってたのとは違った
ドイツの有名絵本作家ジュディス・カーの幼少期の実話作品。恥ずかしながら彼女の作品は読んだ事なく彼女の事も知らずに鑑賞した。
今はイギリスに滞在し絵本作家として世界的に成功をおさめたジュディスだが、幼少期は父が反ナチスとして批判記事などを執筆してた事もあり、ナチス政権が誕生後はスイス、フランスで生活をする。またユダヤ人という事もあり差別を受ける事もある。
父親がライターのような仕事をしてる事もあってか生活が安定せず貧しい生活を強いられる。
そんな中でもジュディスとその兄は各々の国に移動するたび一から語学を学び直す事を強いられるが、学ぶ事を
喜びに変え前向きに生きる話である。
ジュディスや兄の姿や所々で心に響くセリフなんかもあるが、個人的には全体的には退屈な作品であった。
これはジュディスの作品をきちんと読んでいればもしかしたら分かるのかもしれないが、端折るシーンが多かったり貧しいという描写が執拗に繰り返されるのだが、その貧しさの中に何かドラマ性みたいなのがあまり感じる事が出来ずしつこさを感じてしまう。
というのも母親は働く素振りはなく、父親も貧しい生活から強く脱却しようとしたりする姿を感じられなかった。
ただただ子供達に貧しい生活は運命かのように強いてるように思えてしまった。
最後もようやく成功を掴みかけたところで今度はイギリスにまた一から勉強をし直す事を子供達に強いて終わる。
まぁこの作品内ではジュディスも兄も大概前向きな姿を見せてくれてるが実際のところは相当大変だっただろう。
その辺りの描写になにかドラマ性だったり、事がトントン進む描写にあまり感情移入はされず退屈だったかなというのが率直な感想である。