「家族とは。血のつながりとは。」ベイビー・ブローカー とろりさんの映画レビュー(感想・評価)
家族とは。血のつながりとは。
クリックして本文を読む
“赤ちゃんの人身売買”というワードだけを聞くと極悪人の物語かと思ってしまうが、さすが是枝監督。
とても繊細で美しい物語だった。
子供を捨てた母親、
ベイビーブローカーの2人、
女刑事、
施設の男の子。
みんなそれぞれ“家族”というものに対して闇を抱えている。
その背景を物語の中で自然と紐解かれていく様が見事だった。
ソンガンホの演技は言うまでもなく、その他の俳優さんたちも本当に素晴らしい演技力だったが、その中でも群を抜いていたのは施設からついてきたあの男の子。
あの子がバンに乗り込んできてから、空気が一変。
どんどん重くなるストーリーのはずなのに、どこかクスッと笑えて安心感を与えてくれた。
しかも、ただの無邪気な子供ではなく、“施設育ちの子供が擬似家族との触れ合いを心から楽しんでいる子供”を見事に演じ切っていて、洗車機ではしゃぐ姿、大人に甘える姿に本当に胸を打たれた。
観覧車でのソンガンホとのやりとりは名シーンだと思う。
最後、やっぱりハッピーエンドとはいかなかったか、、と思わせられたが、ウソンは施設にはいかず刑事夫婦に引き取られ幸せに育っていて、あの養子希望だった夫婦も本当に優しい人たちで、それぞれしっかり人生を歩んでいて安心した。
最後、、あのクリーニング屋さんに乗ってた車の主は誰だろう?
ソンヒョンであってほしいし、ドンスであってほしい。
もう一度、あの5人で集まって今度こそみんなで幸せに暮らして欲しいと心から思った。
コメントする