「是枝監督の家族三部作最終章」ベイビー・ブローカー たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
是枝監督の家族三部作最終章
「そして父になる」「万引き家族」に続く是枝裕和の家族三部作(私が勝手に名付けた)の最終形態。万引きからさらに進んで人身売買である。通底するテーマは「家族」とりわけ「父」という立場のあやふやさ曖昧さとそれが故に子どもとのプラトニックな愛とつながり。ふらふらと彷徨う。家があろうが旅に出ようが。三作目を日本の役者で撮るにはさすがに選択肢がなかったのであろう韓国で撮って正解。ソン・ガンホとかやりすぎでちょっと興ざめる部分もなきにしもだけれども基本ドキュメンタリー手法の演出なので絶妙にバランスがとれた。ただ遊園地のダーツで景品を取るシーンの手前の男の子がノーリアクション(おそらくは的に当たっていないのにソン・ガンホはガッツポーズ)に一気にしらけた。一貫して常識的カット割りの直球勝負は気持ちが良い。
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