劇場公開日 2022年6月24日

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「ボロい集配車にのった"心優しいクリーニング屋"達のロードムービー」ベイビー・ブローカー YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ボロい集配車にのった"心優しいクリーニング屋"達のロードムービー

2022年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

社会派映画だと思って、観に行ったが、赤子を囲むみんなが あまりにも心優しくて、僕は予定外に、泣いてしまった。
そして、洗車場のシーンは映画史に残る"心温まる"素晴らしい名シーンだった。

邦画では坂道を "地方の のどかさ " もしくは "運命の返還点" として表現するが、
K国映画での坂はただ"貧困と格差"を表現する。
この2国文化 の違いを巧みに使いこなせた是枝裕和監督の非凡さは絶大だ!
音楽もバランスが良いが
光を上手く取り入れた 撮影 が実に素晴らしく、芸術映画のレベルに達していた。

演者も素晴らしく、人間味あふれるキャラを醸し出す ソン・ガンホさんにハズレはない。

日本でも多々知られている良い役者 ペ・ドウナさん 演じる、男勝りの女刑事には、
首や腕等をもっと ボリボリ かいたり させれば、
仕事以外への"無神経さ"が 更に鮮明に伝わり それが、任務への執念と忠実さ として上手表現でき、
それが裏返しに、ラストシーンにうまく繋がると思う。

女刑事とは正反対の位置になる"赤子を捨てようとした女"は、母乳どころか、哺乳瓶さえ
最後まで持つ事をしなかった。
それに気づいた 旅の友:ユン・ドンスは「自分の母を信じる事」と重ね合わせ
ローテーションを組んでまで、
彼女の母性本能を戻そうと努力をしていたが。。。
彼女の強い信念が痛いほど、良く伝わる反面
別な女性が自分の赤子に母乳を授ける事を、羨ましく観ている姿がとても痛ましく表現されていたが、
それでも彼女は「産まれてきてくれて ありがとう」と心を痛めている皆に言う。
彼らだけではなく、どんな人も みな それぞれの持った痛みがあるという事
それでも「人を思いやりながら、生きる事の大切さ」が、この映画では伝わってきた。

女は日本にもある「赤ちゃん ポスト]に赤子を入れているのに、
映画の中では何度も「赤子を外に置いた。アノままでは死んでいる」を繰り返していたのは、不に落ちない。

この映画のキーになる「赤子1000万ウオン」なのだが、1000万ウォンとは日本では、 どの位の価値なのか!? 鑑賞者にとって、非常に重要な事なので、
現在為替ルートで良いので、日本円でいくらか、ちゃんと(カッコ付翻訳)して欲しかった。
物価上昇した20年後に観ても、無問題なのだから それが ザ・翻訳 というもの

今作まで、僕の"ロードムービー最高峰"であった「幸福の黄色いハンカチ」を見返したい。

YAS!
はなもさんのコメント
2022年7月26日

こんにちは。
 洗車シーンは面白かったです、子役もグーでした😉

はなも
YAS!さんのコメント
2022年7月18日

NOBUさん ありがとうございます。
本作はたまたま監督が日本人であって、基本はK国映画だと思いました。

「真実」味わってみます。

YAS!
NOBUさんのコメント
2022年7月15日

今晩は
 いつもありがとうございます。
 今作は、韓国俳優と是枝監督が拘る家族の形とは、何であるかという命題をロードムービー形式で描き出した良品であると思いました。
 是枝監督の今後の更なる海外での活躍を期待しています。(以前、NHKでフランスで撮影した「真実」の製作過程を追ったドキュメンタリーを観ましたが、言語の壁は相当に厚いのだなと思いました。)では。

NOBU