「西洋文化への憧憬も否定せず・・」ブータン 山の教室 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
西洋文化への憧憬も否定せず・・
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インドと中国の間、ヒマラヤ山脈の斜面に位置するブータン、仏教の「中道」の原理によるのでしょうが物質的満足よりも精神性を重視し世界一国民の幸福感が高い国でも有名ですね、ただ、最近はネットの普及で外国文化を知り考え方が揺らぎ始めたそうです。
舞台はなんと富士山よりも高い山の中腹にあるルナナ村、そんな辺境の地の小学校の教師に派遣された若い教師ウゲンの物語。教師に迷いを感じているウゲンですが村長や子供たちから「教師は未来に触れることが出来る人」とリスペクトされ自覚が芽生えます、まさに教育が未来を拓く基礎というのは納得ですね。
なんといっても村人の温かさ、思いやり、子供たちの表情が素晴らしい映画です。
原題はLunana: A Yak in the Classroom(ルナナ、教室のヤク)、村人の生活をささえる牛の仲間ヤクを称える歌をうたう村の少女と恋仲になるのかと思い、名作「初恋のきた道(1999)」を想い浮かべたが、やっぱり歌手への夢を捨てきれずシドニーのバーのシーンで終わりますが、やがてウゲンはきっとルナナに戻っていると信じたいですね。ただ、文化庁推薦の教育映画的に終わらず西洋文化への憧憬も否定しないストーリーは今のブータンの本音なのかもしれませんね。良い映画でした。
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