劇場公開日 2020年10月23日

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「女性が自立する過程の物語。人は大地離れては生きてけないの。」空に住む コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5女性が自立する過程の物語。人は大地離れては生きてけないの。

2022年10月16日
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鑑賞方法:VOD

笑える

単純

幸せ

内容は、主人公の小早川直実(多部未華子)が突然両親を交通事故で亡くし身寄りを手伝ってくれた叔父夫婦のタワーマンション39階に飼い猫ハルと共に転居する。そこで1人と一匹で生活する中で右往左往しながら、主人公と関係する各々の人間が成長していく微妙な心の機微を表した物語。気になった台詞は『ハルは私だったよ』で飼い猫に自分を投影した表現が観客にとっても分かり易いなと感じた。印象に残った場面は、オムライス食べるシーンの握り拳を作るシーン。嗚呼嫌いなんだろうなぁと良くわかった。そんな映像的なギャップは行動の方が伝えたい事である場合が多くキャストの心の機微を技巧的に撮ってるなと思った。つまらなそうにInstagramを上げる叔母さん。主人公に恋心を密かに寄せる編集長。婚外子を産んだ職場の後輩。家庭があるのに妾に子供産ませる作家。お金があるが子供がない寂しそうな叔父さん。虚業家としての仕事に邁進する俳優。平行線を繋げようとする動物火葬屋。色々過去が濃厚さを感じさせるマンションコンシェルジュ。全てが振り子の様に揺れ動く心模様を絶妙に描きつつ、主人公の細やかな成長が描かれてカタルシスの解放に十分繋がった様に思えます。この映画のテーマは『欺瞞と家族と自分』の様に思えます。自分的には問題を絡ませる考え方が分かりづらいので親身に共感出来ない所がありますが気持ちを解る撮り方は美しいと感じました。

コバヤシマル