アンダードッグ 後編のレビュー・感想・評価
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それぞれの再起…
人生で皆輝きたいけど、泥沼に入り、もがき苦しみ、中々出れない。前半は見ていて息苦しい。ボクシング中心のストーリーではあるが、登場人物のほとんどが人生をどこかで諦め、一人として幸せな生活をしていない。諦めかけた何かを取り戻すため、それぞれに違う歩みを始める後半は見ていて爽快だった。特にジムの会長と末永のやり取りは熱くなる。前編後編共にボクシングシーンはリアルだった。
あしたのジョーとは違って
レンタル前後編5時間弱を6回くらいで
もっとかかるかと思ったが
続きが楽しみでしょうがなくて
1週間足らずで済んだ
ボクシング映画でキネ旬上位と知り
気になっていた一作
監督の百円の恋も大好きな一作だ
去年のオラの1位がBLUE
どうしても比較してしまうが
引けを取らぬ傑作だった
世間的にはこちらの評価が上だろうが
オラとしてはやっぱりBLUEの方が好み
3人のボクサーが出てくるところも共通
こっちの主人公はあんなにいい奴ではなく
実力がある
3人以外のキャラクターも立っている
瀧内公美とかその客 あとデリヘル店長
誰だあれは 病室のシーンは笑えて泣ける
森山未來と瀧内公美とその客と北村匠海の関係
んなわけあるか という展開なのだが赦す
凝縮したいメッセージを感じたので
森山未來と北村匠海が
ジムの外で会って戦うことを決めて
それぞれ反対に向かって走っていくシーンは
たまらなくカッコよかった
あしたのジョーとは違って
カッコ悪くても色々なことに折り合いをつけながら
ズルズル生きていく人物に(勝地涼にも)
共感する歳になったのかなぁ
負け犬の美学
3人の負け犬ボクサーを描いた大作ボクシング映画の後編。
前編を見てアドレナリン出まくり状態だったので、後編は初っぱなからエキサイティング!
…が、そんな気分じゃないのが、主役の晃。
前編では過去の栄光を引き摺ったまま。
それに加え今回は、八百長試合での醜態。
試合後の周囲の厳しい言葉通りの如く、もうリングに上がる事も無く…。
さらに、妻から正式に離婚要請。
どん底もどん底。
これから何を糧に生きていけばいいのか…?
このまま空虚に生きていくしかないのか…?
本音を引き出したのは、息子。
息子が言う。お父さんは何がしたいの?
本当はまだボクシングを続けたい晃。夢のまた夢かもしれないが、世界チャンピオンになりたい。
しかし父は言う。どうしたらいいのか分からない。
それにしても、我が子の前で自分の意見もはっきり言えず、優柔不断な父親って…。
息子が言う。じゃあ、頑張ろうよ。
単純な事。
が、それを息子に言わせる。
またジムに通おうとして、そんな甘ったれた気持ちに会長は大激怒。
またまた言われる。お前なんか、もう二度とボクシングするな!バカ野郎!
ボクシングをやるなら、自分から本気で。それくらいの覚悟があって当然。
それも分かってない。
門前払いされた晃。彼が果たしてどうやってリングに返り咲くのだろう…?
前編レビューでは主役3人の事を主に書いたので、後編レビューは周りの面々を。前編以上に描かれている。
デリヘル嬢の明美。幼い娘を抱え、彼女もまたどん底の生活。同居する男からDV。それや自分の人生の鬱憤を晴らすかのように、娘にDV。負の連鎖…。娘をペットのオリに入れる衝撃のシーンも…! ある時明美は母親として絶対にやっていけない事をやってしまう。我が子を…。
デリヘル店の店長、木田。晃とは元々地元の知り合いのようで(晃の方は覚えてなかったが)、かつての試合に負けて帰って来て仕事ナシの晃を運転手として雇い入れてくれた。ちょっと知恵遅れ気味だが、人懐っこい。それ故取り立てのヤクザに舐められ、シマも女の子も取られ…。いよいよ店を畳む決意をした時、事件を起こす…。彼と中年デリヘルの兼子のエピソードが意外と泣かせる。
事件がもう一つ。明美の常連客の田淵。過去半グレ集団から暴行を受け、以来車椅子生活。しかしある時、自分をこんな身体にした人物を見付ける。自分はこんなに惨めなのに、アイツはスポットライトを浴びた人生。許せない。復讐してやる…。その相手がまさかの…!
ボクシング映画でありながら、試合シーンどころかボクシング描写も序盤はほとんどナシ。
しかし、脇役とは言え泣かせるドラマがある。悲しいドラマがある。語れるドラマがある。
見応えあった!
今回、前編で最高の試合を見せた瞬は出番ナシ。芸能界を引退したという設定。(一応、回想シーンとEDにチョイ出演)
やはり後編は、龍太が大きく話に絡んでくる。
相変わらずの破竹の勢い。妊娠していた妻は出産。
全てが薔薇色。
…が、そんな時、彼を襲った傷害事件。
相手は、田淵。
実はその昔、田淵に暴行を加えた半グレ集団のリーダーこそ、龍太。
改心し、やり直したつもりが、暗い過去の自分の過ちから逃げられなかった。
刃物で切り付けられ、目に傷を。頭部に強い衝撃が与えられれば、失明の恐れも。
つまりそれは、ボクシング人生の終わりを意味する。
一瞬にして、奪われた…。
…いや、何もかも全て終わった訳じゃない。
後一戦しか出来ないなら、後一戦やりたい。特別な後一戦を。
龍太が復帰戦の相手として指名してきたのが、晃。
何故、見離された負け犬を…?
ここで遂に語られる晃と龍太の因縁…。
かつて、児童擁護施設に居た龍太。
その時、子供たちにボランティアとしてボクシングを教えに来ていたのが、言う必要も無いだろう、晃。
ワルだった龍太。晃の挑発に乗る。
つい軽くパンチしてしまう晃。
龍太にとっては心身共にダメージ。
初めてだったのかもしれない。ワルの限りを尽くした彼にとって、初めてビビり、ぶちのめしたいと思った超えられない壁。
そして、あの一戦。アイツが負けた。普通だったら失笑するところだが…、龍太は興奮し、感動した。負けてもカッコいい。龍太にとって晃は、ボクサーを目指すきっかけとなったヒーロー。ヘンな言い方だが、いずれこの拳でぶち倒したいヒーローなのだ。
日本王座や世界チャンピオンを目指すよりも、龍太にとってはこれ以上ない一戦。
指名を受けてもまだ燻っている晃。
が、龍太の妻からその話、龍太本人から挑戦状を叩き付けられ、ようやく遂に、この男の燻っていた闘争心に火が点いた!
俺は俺自身で世界チャンピオンを目指す。
負け犬がその誇り高き遠吠えを発した…!
そこからはボクシング映画の王道。
両者、試合に向けて過酷な特訓。
龍太の方はジムのチームが付いてくれているが、晃は夜な夜な一人で外国人ボクサーと訓練。すると、会長がまた相手してくれる事に。やはり若手の頃から育ててくれた腐れ縁。
両者身体を仕上げ、遂に迎えた試合の日。
会場には、龍太の妻子。晃の息子と、晃の父も重い腰を上げて。
晃と龍太がリングに上がり、ゴングが鳴る…!
足立紳による幾重にも綴られた脚本。
武正晴による熱い演出。特にこの後編は長さを感じさせなかった。
キャスト全員の熱演。
でもやはり後編最大の見所は、クライマックスの森山未來と北村匠海の拳と拳でぶつかり合う魂の演技と試合!
晃と龍太の決戦は互角…ではなかった。
ピークを過ぎたボクサーと、破竹の勢いの若手ボクサー。
結果は分かり切っている。
八百長試合では自分が相手をボコボコにしたのに、今度は自分がボコボコにされる番。
龍太のパンチは想像以上に強く、効く。
もうほぼ、第1ラウンドからKO状態。
パンチを食らえば食らうほど、自分の弱さを痛感する。
でも、闘争心も沸いてくる。
パンチドランカーになっても、リングの上で死んだって構わない。
このままやめられねーよ! 最後まで闘わせてくれよ。
はっきり言って試合は龍太優勢。
が、晃も反撃してきた。
龍太は1ラウンドKOが多く、どうやら相手からの反撃の長期試合に慣れていないようだ。
まだ、望みは消えていない…。
が、晃の身体はもうふらふら。片目は見えてすらいない。
強烈なパンチの応酬、一進一退…と言いたい所だが、勝敗は決した。
よくボクシング映画にある。いや、映画の世界に限った事ではないだろうが、敗者にも賛辞を。
かつて日本王座の座に挑み、敗れた男。
噛ませ犬と呼ばれ続け、八百長試合で醜態晒し、負け犬に。
そんな男が再び見せた最高の試合。
結果敗れてしまったが、もう誰も野次を飛ばさないだろう。
負け犬の美学。
意外と邦画にもボクシング映画の傑作多い。『どついたるねん』『キッズ・リターン』『百円の恋』『あゝ、荒野』…。
それら歴代チャンピオンにまた一つ、加わった。
心から“拳”闘を讃えたい!
負け方を選ぶ
まずはじめに、後編は前編のノイズになっていたお笑い芸人パートがなかったため、非常に楽しめた
スポーツにおいて、すべての試合に勝ち続けることは不可能だ
どんなに強いチームや個人でも、最後には必ず負けるし、最善の戦いをすることで、最善の負け方を得られる
主人公は前編で、最悪な勝ち方を選び、後編で最高の負け方を選ぶ
この映画の配役について、非常にセンスを感じた
普通であれば旬の俳優である北村匠海を主人公にし、森山未來をヴィラン役にするだろう
かつてのスター俳優である森山未來を主人公に、今後のスターとなるであろう北村匠海をヴィランとすることで、現実の俳優としての立ち位置と重なる
ラスト前の試合前の練習シーンについて、
ボクシング映画はたくさん観てきたが、
主人公の長所に対しての対策の対策や、ボディを練習してからの、ボディの対策など
シーンの切り替わりによる相互の攻防戦は意外と新鮮であり、新しいと感じた
そしてラストの試合、映画の本筋とはずれるが、やはりスポーツはカウンターとひと呼吸置いてからの撃ち合いがもっとも上がる
近年は邦画のボクシング映画が多く、正直またかとは思ったが、それでも比較することなく特別な一本だと感じた
追記
メイン2人が過去で繋がっている事実について、中盤での一瞬の回想シーンにてなんとなく理解解釈ができるため、
主人公と北村匠海の彼女がファミレスで長々とセリフによって説明するのは必要ないと感じた(なんとなくそうなのかな?ぐらいの方が個人的にはすき)
車椅子の子のエピソードについて、回収がなく、そもそもメイン2人との共通点は偶然がすぎるのでいらないと感じた
素晴らしかった
前編では主要登場人物がみんながみんな暗くて人に対して当たりがきつい、個性が描けてないのではないかと思ったのだが、後編では暗くて当たりがきついながらも、個々の違いが感じられる。
特に、北村匠海と奥さんが児童養護施設の出であり、森山未來との出会いも児童養護施設であったことに心をつかまれて、だったら暗くて当たりがきついあの感じもしょうがない。
車椅子の男があれっきりだったのがもったいない。彼のドラマも見たい。
お互いの人生の全てを背負っての試合は、背景が壮絶で尋常じゃないテンションだ。
オレも漫画の描き方を教えに養護施設でボランティアさせてもらいたい。
試合シーン&エンディングに熱くなる!!
ボクシングの試合なんてまともに見たことないのに、『百円の恋』や『あゝ荒野』など、ボクシング映画にはなぜかひかれます。
前後編、あわせて一気に観ました。個人的には試合に至るまでがちょっと長いかな…というか、ちょっと不幸なエピソードが多すぎる、背負わせすぎて、見てて辛い。。という感じも正直ありました。でもそういう気持ちを吹っ飛ばしてくれるくらい、試合のシーンがエネルギッシュで高揚感がありました。それまでの重さは試合をより熱く盛り上げるための時間だったのかなと思えるほど。
あと石崎ひゅーいのエンディングテーマもすごくかっこよくて、余韻を盛り上げてくれました。
森山未來、北村匠海、勝地涼、素晴らしかったです。それぞれの人柄や思いが溢れ出るような闘いぶりで、目が離せません。
役者がみんな素晴らしい
前編に続き後編を観賞。
萩原みのりのベッドシーンも有り、前編に続きエロ度も十分。
新津ちせへ虐待をする滝内公美の狂気あふれる演技は見所。
北村匠海が子供と居る時に襲われるシーン、森山未来が子供と喫茶店で会うシーン、デリヘル店長がライバル店にナイフ持って乗り込むシーン、など見所は前編より多い。
もちろん森山未来と北村匠海のボクシングの試合は観客の表情も含め良かった。
前編、後編と合わせると約4時間半も有るが、長さを感じないほどの良い作品です。
Standing and Fight !
箕島ジムのかもいに貼られていた、薄汚れたヨレヨレの横断幕に書かれていた一文。結局、これですよね。
前後編、合計276分。4時間36分の長丁場ですが、全く飽きずに一気に観れました。監督は「ホテルローヤル」「銃/銃2020」「嘘八百シリーズ」「百円の恋」の武正晴さん。原作・脚本は「喜劇 愛妻物語」「嘘八百」「志乃ちゃんは~」「百円の恋」の足立紳さん。まぁ、コンビですわねぇ。大好きです。
役者さん方も、俺的には超豪華キャストですからw
諦めの悪い意気地のない男がドはまりの森山未來。北村匠海君、過去最高作って言っていいくらいにカッコええです。勝地涼も持って行きます。瀧内公美のエロさは既に安定域。荻原みのりも堂々としてます。冨手麻妙が久しぶりに可愛いし。ダメなダンナを持つ女房役と言えば、もう水川あさみです。止めが、新津ちせお嬢様。今回ははしゃぎまくりません、走り回りません。
その他の男性陣もちゃんと一人一人が立ってます。さすがに276分も掛けてじっくり撮ってますから、無駄遣い感が無いw
素人に毛の生えた程度の、半アマボクサーすらKOできないほどに落ちぶれた、元日本ランク1位の男。みじめと言う言葉以外の形容詞が見つからないほどの、みじめっぷりは、勤め先のデリヘル運転手生活、老父との同居の汚れっぷり、別居中の息子との対面、等々でこれでもかと言うほどに詳細に描写されます。
ここが、ある意味、ボクサー映画の基本文法。
前編では、何かを変えたい崖っぷち芸人が必死にもがく様を、落ちぶれボクサーにぶつけて来ます。勝地涼が全部かっさらって行って終了。
後編に向けては、ボクサーとして切れっ切れで乗りに乗ってる北村匠海と落ちぶれボクサーの勝負が、どんなな成り行きで実現するの?が謎として残りますが、まぁ、ええ具合に順風満帆だった匠海君の生活が、大暗転。落ちぶれボクサーの方はと言うと、更に転落。
ボクサーとしての未来を捨てる覚悟を決めた若者と、ただただどん底の生活で生き様を変える気力さえ完全消失した男が、8回戦の一試合のために立ち上がる。
これ、完全にボクサー映画の文法の忠実な展開。分かっちゃーいるんですけどね、ほんま、ボクシングは男のロマンだすw
自分を追い込み、痛めつけ、研ぎ澄ましていくトレーニング場面。ボクシング映画の見どころですが、減量・計量場面がありません。落ちぶれボクサーの方は、ストーブ焚きながらスーツでシャドーやりますが。これが、二人の、各々の朝食場面で、匠海君がみそ汁の具をつまみながら「染みわたってるよ」と口にする場面で、「あ。試合は今日なんだ」って判ります。この時のワクワク感。このトレーニングからの流れの演出、と言うか脚本が好き。
8回戦の24分は、ボクシング映画の醍醐味に御座います。関係者の想いが交錯するリングの上で。最後は、ただただ殴り合うだけの2人。明日のジョー&ロッキーのムネアツワールド。
ボクシングの道へ進むきっかけを作った男を、この手でリングに沈める事で、ボクシングへの想いを断ち切ろうとした若者。
「世界チャンピオンなんかにゃ成れっこない」と言う現実を受け入れられないだけの意気地なし。
試合後の、各々の生き方が、綺麗ごと過ぎない感じがして好きです。
良かった。とっても!
まいったね。
1週間おいて、時間作ってやっと観賞。
前半、「勝地涼の1人勝ち」的なレビューを書いたけど、後半に残り2人の印象を深くするためのコントラストだとしたら完全にヤラレた😩
「百円の恋」の時にも感じた「どうしようもない主人公」が何かのきっかけで(このきっかけには「ボクシング」はどハマりする事多し)人生スイッチが入る感じ、とてもとても好みです。
特に森山未來、北村匠海の元からの「眼の表情の無さ」が(あくまで個人的感想です)演出に拍車をかけている。
その表情の無さが、試合が決まり目標を得た事で輝き出すシーンは、こちらまで感極まった。
これまた世界チャンピオンを獲ったり、メインイベントな試合でもなく、運命のイタズラ?で出会った2人が「とにかく奴と戦いたい」って思いだけ。
もう後半の試合のシーンは、リアルでのボクシングの激闘(かつての辰吉丈一郎vs薬師寺保栄戦や畑山隆則vs坂本博之戦)などの「勝敗付けたくない」って思わせるほど。(もちろんこちらは映画なので作られたお話ですが)
前後編でめちゃくちゃ長い映画だけど、凄く面白かった!
たまらない。とにかく滾る
前半は前編に引き続きダサい無様なボクサーが描かれる
「ここでスイッチ入るか⁉︎」ってシーンが何回もあるのに全部スルーする
そんな姿が自分と被って感情移入してしまう
そしてフラストレーションが溜まってしまう…
後半それが一気に解放!
森山未來の迫真の演技に手に汗握る
ゴミ捨てのシーンすらカッコいい
試合のシーンは少し拙いような気もするがとにかく魂がぶつかり合う最高にアツいシーンの連続
挫折して全て失った晃が泥臭く8R闘い切る
最後に負けるのもまたリアル
2度目の「負けても最高」
特別になれなかった自分に「それでも頑張れ」と言ってくれる最高の1本
明日も頑張ろう
森山未來良い。
後半になって、一気にドロッとしてきた。
末永が働くデリヘル店が半グレの店から嬢を奪われたり、
アケミも虐待で娘に重傷を負わせ逮捕されたり、
龍太の過去が暴かれ始め、復讐に遭う。
そこから龍太が末永と対戦するまでの各過程を描きながら進むのだが、
まあ予想通りの展開だった。
ストーリーはわかりやすいので、特に難しいこと考えることなく見れる。
最後の試合のシーンは、どっち勝つのかなあ、なんてスポーツとして観れた。
個人的に、後編に入っての末永の吹っ切れた感じの姿は好き。
森山未來が本当のボクサーに見えてきた。最後はかっこよかった。
ボクシング映画で前後編ある作品という事で、どうしても私の大好きな『あゝ、荒野』と
比較してしまうのだが、単純にボクシングシーンだけならこちらの方が良かった。
『あゝ、荒野』は新宿新次(菅田将暉)が反則ばかり犯していたから(笑)。
カメラワークも良く、実際に殴り合っているようで違和感なかった。
ただ、どうしても『あゝ、荒野』に比べると、リング外の人たちのストーリーがあまり見えてこない。
『あゝ、荒野』のラストシーンはオーナー、トレーナー、実の親、様々な人の人生がすべて映し出されているような感じだったが、飽くまでもこの映画はリング上の2人の話、と感じた。もちろん、主演なのだから当然なんだが、5時間弱の厚みと考えると『あゝ、荒野』の方が上かな、と個人的に思った。
でも、決して飽きずに観れたし、Abemaでなんか8話のドラマでやるみたいだし、そちらも見ようかと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
最後の森山と北村の試合は綺麗にKO決着させずわざと判定決着にして観客にカタルシスを与えなかった、観客をスッキリさせないさせたくないという制作者の嗜好が明確であった。それだけではない北村の身体にあんなにベタベタ刺青隠しのファンデを塗りまくったらリアルではコミッショナーが反則にする。この映画の関係者に限らず日本の制作者と批評家にはドラマとは汚すもの観客にフラストレーションを与えて印象づけものという思い込みに脳が固められている人たちが多すぎる。あえて問題提起する、だから日本のエンタメは韓国に遅れたのだと、これは屈辱以外の何物でもない。多くの一般ユーザーの方々がつまらないものはつまらないと声をあげていただくことを伏してお願い申し上げます。
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