日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウのレビュー・感想・評価
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netflixで見た本作オリジナルや小説は酷評の嵐。突っ込まずには...
netflixで見た本作オリジナルや小説は酷評の嵐。突っ込まずには居られない。それを映画にするだと?編集版だけど少しはマシになってるのかと鑑賞。時間を返して・・・小松左京がかわいそう。湯浅監督ガッカリだよ。10月放送予定のドラマ日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』は期待してます。
「日本人の一番いやな部分」と対峙する必然性
アプローチが違うのに、しっかり『日本沈没』でした。
まずは地震、沈む日本に対する恐怖をしっかり描いていた。
怖いくらいに。
阪神淡路と311を経験した私らには、導入部にはトラウマを刺激される部分すらあり。
音楽で異様に煽ったりせず、効果音で自然の脅威を表現していたのも怖さを倍増させていました。
元々の小説は「高度経済成長」に翳りが見え、終焉を迎えた時に、どうやって生きるか、日本人とはどういうものなのか、という命題に挑んだ作品でした。
土地や地位、所属などに固執する性質を持ち、またそれらに守られている日本人に、「土地を失う」という強烈なシチュエーションをぶつけて、日本民族のアイデンティティを浮き彫りにしつつ、初めて殻から出て「世界」に向き合った中で、どう生き残っていくかを描くのが小説『日本沈没』の真髄だったと思います。
だから原作小説にも、映画にも「日本人の一番いやな部分」と対峙する部分があったわけで(同じくらいいい部分の表現もあるし)。
その醜い日本人像は、昨今のSNSに蔓延する、歴史や科学を知ろうとせず、自分だけが正しいと信じ、ヘイト垂れ流しの人々にとっては、自分たちの醜悪な部分を強調して見せられる、痛いものであったろうなぁ。
劇場用に改めて作り直したという音楽は、ラストの主人公のモノローグにかぶせて流れるあたりで、希望を感じさせる上手いつくりになっていました。
と、全面的に褒めているようですが、ややマイナスな部分も。
作画のばらつきが目立ちました。
脚本的な粗も目立つ。
特に、物語を進めるためとはいえ、KAITOがチートキャラすぎて、ちと冷めた部分もあり。
新興宗教ネタなど、面白いかどうか客を選ぶネタ選びではあるし。
TVドラマ版や、昔の映画版のように、ジェットコースター的展開では無い分、作品にのめり込みにくい部分もある。
全10話をカットしながらも、「繋いだ感」がぬぐえなく、暗転、ぶつ切りがやたら増え、全体の中での盛り上がりポイントが希薄になっちゃった感は否めません。
ダイジェスト
ネトフリ版は視聴していない。
長さの割に、ダイジェストゆえのバランスの悪さも相まって、現代的な展開やツール、設定は良いのに、途中だれるところがあった。ラストは悪くない。
ストーリー展開に唐突感があるが、ダイジェストゆえで、削ってしまった些末なエピソードの積み重ねがあったのではないかと想像する。
だからといって、今さらネトフリ版を視聴するかといえば、それもないだろうなと思うのだけれど。
未見の方は、ネトフリ版を見た方がたぶん良いのではないだろうか。
作画沈没
原作を解釈したリブート作品だと知った上で観に行きましたが、こんなんでいいの?と思ってしまいました。
毎回発生するイベント(災害)で、仲間が一人、また一人と減っていくのは、過去の災害作品でよく使われる手法です。
まさか週間配信だから仕方ないと、言わないですよね?
小松左京の原作では、日本が無くなる事を主題に置いて、今の日本人の在り方を解いていたと思うのですが、本作品はまるでゲームのイベントです。
この程度のシナリオしか作れないのが、今の日本映画の情けないところでしょう。
その中で、主人公の武藤家が混血という設定は面白いのですが、次男の剛が盛んにエストニアを口にします。
エストニアがIT先進国だと知っていますが、せっかくなので、母の故郷のフィリピンを僕が素晴らしい国に変えるんだ!と言って欲しかったです。
最後に本作品の一番の失敗は、キャラクターデザインと、作画の雑なところですね。あの出来では感情投入は無理です。
せめて雑な作画をどうにかして欲しいものです。
家族のドラマと歩の成長物語
日本人の父とフィリピン生まれの母のもと、武藤家の歩と剛は家族で東京脱出をはかる物語。元が配信アニメだったおかげで、劇場版といえどもエピソードがそれぞれこじんまりとしているのは否めない。あ、ここで第一話完かな?とかの。それぞれのエピソードには人の死が必ずあるし、常に人間のエゴも感じられる作品です。
原発問題、不発弾、新興宗教、外国人排他主義、マイナンバーカード問題など様々なテーマをさりげなく入れているのも興味深い。特に外国人に関しては、母親がフィリピン人だったり、エストニアが大好きなハーフの息子だったりして、乗船拒否なんてシーンがあった。
サバイバル生活や個性的な家族もけっこうユーモラスであり、神社にイルミネーションを仕込んだり、長芋にこだわる父親や、元水泳選手であるが心臓病を患っている母親、娘は陸上部の14歳、弟はゲームが大好きでe-SPORTS選手になる夢を持っている。
決してハッピーエンディングではないと思うのですが、どことなく日本を分断し閉塞感に満ちたものにしているのは大災害だけではないというメッセージも伝わってくる。個性も大切だし、思想信条の自由も訴えてくる。特に終盤のラップバトルには剛、古賀先輩、歩と続くが、それらの考えを代表しているかのようでした。
オリジナルからの田所博士は出てこないものの小野寺はキーパーソンとして登場している。人気ユーチューバーのカイトという兄ちゃんがけっこうヒーロー扱いでした。数年後を描いた最後の映像はちょいと泣ける。
偏見なく面白かった
コンセプトを忌み嫌う人も多い中、
私は完全にフィクションとして楽しめたので、よかったのかもしれない。
古い小松左京作品を、見事に現代にリメイクした秀作。
こんなこと起きてほしくない。
こんなこと絶対にありえない。
その気持ちは、きっと皆おなじ。
ひとつの娯楽として鑑賞すれば、
この作品の素晴らしさが見えてくる。
目を覆いたくなる刺激的なシーンがとても多いので、
アニメ=子供のものと思い込んでいる方々にはぜひ見てほしい。
そして湯浅監督が表現したかった希望を、
エンターテイメントとしてのクオリティの高さを、
私はかなり満足のいく作品として推したい。
ちょっと良くないかな。
突然起きた大災害で世界が絶望の中、それでも必死に生きていこうとする人々の姿を描いていたのは良かった。
でも、あちこちでギャグ要素あんのなに?
こんな良いストーリー構成なのに、わざわざギャグ要素入れる?あきれたわ。あと、この映画はNetflixで配信されていたアニメをまとめたもの(いわゆる総集編)だから、そんなに人、来ないと思う。
ダイジェスト感が強すぎ…
ストーリーのブツブツ度がすごい。繋ぎ合わせただけだな感じで話がとぶとぶ。だいたいの流れはわかるけど表面つなげただけでうすっぺらい。それでもディザスタームービーとしてのアニメは迫力満点な仕上がり。きっとシリーズは面白かったんだろうなー。
これでなぜ特別料金。高い…。
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