劇場公開日 2020年11月13日

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「家族のドラマと歩の成長物語」日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5家族のドラマと歩の成長物語

2020年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本人の父とフィリピン生まれの母のもと、武藤家の歩と剛は家族で東京脱出をはかる物語。元が配信アニメだったおかげで、劇場版といえどもエピソードがそれぞれこじんまりとしているのは否めない。あ、ここで第一話完かな?とかの。それぞれのエピソードには人の死が必ずあるし、常に人間のエゴも感じられる作品です。

 原発問題、不発弾、新興宗教、外国人排他主義、マイナンバーカード問題など様々なテーマをさりげなく入れているのも興味深い。特に外国人に関しては、母親がフィリピン人だったり、エストニアが大好きなハーフの息子だったりして、乗船拒否なんてシーンがあった。

 サバイバル生活や個性的な家族もけっこうユーモラスであり、神社にイルミネーションを仕込んだり、長芋にこだわる父親や、元水泳選手であるが心臓病を患っている母親、娘は陸上部の14歳、弟はゲームが大好きでe-SPORTS選手になる夢を持っている。

 決してハッピーエンディングではないと思うのですが、どことなく日本を分断し閉塞感に満ちたものにしているのは大災害だけではないというメッセージも伝わってくる。個性も大切だし、思想信条の自由も訴えてくる。特に終盤のラップバトルには剛、古賀先輩、歩と続くが、それらの考えを代表しているかのようでした。

 オリジナルからの田所博士は出てこないものの小野寺はキーパーソンとして登場している。人気ユーチューバーのカイトという兄ちゃんがけっこうヒーロー扱いでした。数年後を描いた最後の映像はちょいと泣ける。

kossy
kossyさんのコメント
2020年11月14日

bionさん、毎度コメントありがとうございます!
ネットフリックスでご覧になったのなら劇場版は見なくていいかもですね。
そうそう、新興宗教は怪しいけど金をたかるわけじゃないし、むしろ避難者を温かく迎え入れてくれていて、いい宗教でした。
研究所とか政府とかを一切排除したのは良かったと思います。

kossy
bionさんのコメント
2020年11月14日

Netflixで一気見してしまったので、劇場版は見ていないのですが、数年後の映像はよかったですよね。
新興宗教の件は、賛否両論あるみたいですけど、自分としてはありかなと。

bion