劇場公開日 2020年11月27日

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「戦時下での人と人の関わり」アーニャは、きっと来る nanaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5戦時下での人と人の関わり

2020年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

近頃、大戦下でのドイツやその周辺を描いた映画が多いように思う。

この作品もその中のひとつ。

ただ、いわゆる戦争映画という感じではなく
大戦下での、国と個人の関係性、
個人としての人との関わりと、そこに生まれるそれぞれの葛藤などが、繊細に描かれていると思う。

はっきりと言葉で説明されているわけでは無いが、
演出から想像することで、より、この映画を見る意味が生まれるような気がする。

ドイツ兵もやはり人間であることに変わりはなく
収容所に送られたユダヤ人がどのような扱いを受けるのか
ある程度わかっていても、わからないと言ったり…
本当は自分がそれの一端をになっていることを、
認めたくなかったのかも知れないなと想像してしまったり…。

史実を基にした作品を見るたびに
自分が知っている世界はとても狭く
今の社会、世界は、これまでの人々の営みのもとに成り立ってきているのだなと考えさせられる。

大きな歴史の出来事の中に、目立たずとも確実にひとりひとりの存在が
大切な存在としてあったのだな、と感じさせてくれる作品だった。

nana