「【切り取られた場面/木内みどりさん】」名も無い日 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【切り取られた場面/木内みどりさん】
世の中には、切り取られた一瞬は沢山ある。
そのほとんどは、美しいと感じたり、楽しい記憶を止めるものだったり。
だが、切り取られなかった苦悩やトラウマが人を縛りつけることは圧倒的に多い気がする。
自分の真実は自分にしか分からないのだ。
兄弟でも、家族でも、親友でも、恋人でも、分からないことはあるのだ。
だから、残された人は苦悩するのかもしれない。
なぜ、どうして…、あの時、自分がこうすれば…とか。
だが、時を止めたままではいけない。
残された者は、生き続けなければならないのだ。
たとえ薄汚れて霞んでいても、それを切り取って、どこかにしまい、人は生きていくのだ。
カメラで切り取る一瞬は美しい場面が多いのかもしれない。
そして、人目に触れることも多い。
しかし、苦い思い出や苦悩は、写真として切り取られなくても、心が切り取ってしまいこんでるのではないのか。
だから、人目に触れることは少ないのだ。
だが、前を向いて生きて行けばいい。
人というのは、そういうものだ。
※ この作品もコロナ禍で公開が延期されていたのだろうか。
木内みどりさんが亡くなられてから、一年半以上経っていると思う。
なんか、木内みどりさんを見れて良かった。
木内みどりさんに合掌。
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