「【”家族の居場所を只管に護った弟の「証」を、深い悔悟の想いでシャッターを切る兄の姿・・。” 観る側に”大切な人との絆”とは何であるのか?という事を問いかけてくる重厚な風合の作品。】」名も無い日 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”家族の居場所を只管に護った弟の「証」を、深い悔悟の想いでシャッターを切る兄の姿・・。” 観る側に”大切な人との絆”とは何であるのか?という事を問いかけてくる重厚な風合の作品。】
ー 印象的なシーンがとても多い、哀切で、心にズシンと響く作品である。
物語は、小野家の現在と過去を行き来しながら、熱田神宮の祭りの提灯も印象的に映し出しながら、進む・・。ー
◆今作の達也は、名古屋市熱田区出身で、20才で渡米しNYで写真家として活躍する、日々遊一監督の分身である。
だが、今作は名古屋市熱田区の”ご当地映画”ではない。
監督自身の自伝的要素も含ませた、心に残る作品である。
<Caution! 以下内容に少し触れています。>
・今では、NYに住み、写真家として活躍する達也(永瀬正敏)が、久しぶりに地元に戻って来るシーンから物語は始まる。彼の表情は暗い。玄関の入口のガラスの一部が割られた実家の前を逃げるように素通りし、三男の隆(金子ノブアキ)の家に寄る。
ー 彼らが幼き時のシーンも挟み込まれ、”何か”があったのだろう・・、と推測する。”何か”とは、凶事であろうことは容易に想像ができる数々のシーンが描かれる。ー
・病院に入院している、普段はNYで活躍している達也を自慢げに話していたという祖母の達也に対する態度が、冷たい。そして
“アッ君は、昔から優しかったから・・”と呟く・・。
・且つては、家族6人で囲んでいた食卓に、誰もいない家の中、6つの箸置きと箸を整然と並べてから、独り、粗末な食事をする目を病んだ章人(オダギリジョー)の姿。
ー その箸置きと箸は、且つて章人が、達也と隆の前で買ったモノである。
そして、彼が、且つては東大卒であり、企業で勤めていたシーンが挟み込まれるが、そのシーンですでに章人に異変が起きている事が分かる。切ない想い出のシーンの数々。ー
・NYから一度、実家に戻ってきた達也と、独り荒れた家で生活する章人が久しぶりに会うシーン。
ー 章人が兄に一切目を向けずに、独り吐き捨てるように、言った言葉。
逃げるように家を出る達也。
今作の白眉のシーンの一つであろう。ー
◆達也と昔、関係性を持っていた人たちの、過去と現在の姿も、今作のテーマ”大切な人との絆”をサブストーリーの様に描いている。
ー 且つて達也の同級生だった明美(今井美樹)は友達が交通事故で死んだのは、自分の為だと、悔いを残しす日々。同級生の母(木内みどり)が、明美に息子の墓前で、語りかける言葉。ー
<子供の頃、達也の写真のセンスを只一人、称賛していた章人。
達也がNYで活躍した切っ掛けを作ったのは、章人だったのだ。
帰国してから、達也は様々な被写体にカメラを向けるが、シャッターを切れない。
だが、帰国寸前、章人の残した言葉を読み、章人が独り護っていた”証”を撮り、堰を切ったかのように、荒れた家の中の風景を撮り続ける達也の姿。
夜、家の玄関に灯る懐かしき祭りの提灯が浮かび上がる幻想的なシーンも含めて、実に印象深い余韻を残す作品。
観る側に、”大切な人との絆”とは何であるのか?という事を問いかけてくる、重厚な風合の作品でもある。>
◆2021年6月10日 全国公開前に追記。
・他の幾つかのレビューを拝読すると、”写真家の・・云云かんぬん”と言うレビューが散見されるが(優れたレビューも、勿論あります。)、是非ご自分の目で作品を観て、感想をレビューに挙げて頂きたい作品である。
NOBUさんに勇気を頂き、レビュー上げました。某アニメ作品です。
観る気はなかったのですが、名もない日を観に初めて訪れたシアターにて、なんだか色々と巡り合わせのタイミングが良く、なんとなく鑑賞する事に。
編集にて贅肉を削ぎ落とした方が良いと仰る方々が多い割に、実際に削ぎ落としている作品に出会うと「説明不足」とか「意味がわからない」とかケチをつけるのだよなぁ、、、と痛感しまして。
いえ、名も無い日に限らず、映画comにレビューUPするようになったこの僅か数ヶ月間に、同様の思いを幾度となく突きつけられましてねぇ。
映画も良いけれど、日本人はもう少し本を読んだ方が良いのではないか?としみじみ思わせられます。
いえいえ、お仕事 忙しいのだろうと思っておりました。
主人が写真をやるんです。
本業ではありませんが、仲間にはプロも多いので、学校行事写真や七五三等子供イベント写真程度の仕事ならばいつでも回して貰えるくらいの腕です。
それでこの20年の間に私も門前の小僧で色々覚えましたw
(高校では天文部にも籍を置いていたので、引き伸ばしくらいは私もやったのですが。専門的な写真の見方については主人と知り合ってから覚えました。)
偉大な投石器、私も好きです。
尤も、神が死んだかと思いきや、現代は「科学という名の神が支配する」だけで、何も変わっていないような気もします。
「科学的であるか?」という基準に照らすばかりで、自分自身の頭で深く考えているとは思えない・・・。
今、ある映画のレビューを挙げるか否か、非常に迷っています。
アグレッシブになってしまいそうで・・・。人を不快にさせても仕方ないし。
まぁ、文筆表現の修行も兼ねて、書くだけ書いてみようかなぁ。
愛知、名古屋は友人は多いのですが混んでいそうなので、これまであまりじっくり散策するのは避けていたんです。仕事では度々訪れていましたが、歩くのは名駅や栄の辺りばかりで。
西に来て5年程度経ち、未だに毎日が観光気分ですが、近畿は一通り津々浦々巡り倒しましたので、次は愛知、岐阜、福井の縦ライン散策を目標にしています。
コロナ禍が落ち着いたら、じ〜っくり愛知巡りを敢行致しますね!
熱田神宮&鰻ですね♪
楽しみにしています〜。情報ありがとうございます^ ^