「事実は小説よりも奇なり」わたしは金正男を殺してない yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
事実は小説よりも奇なり
北朝鮮の金日成の長男、キム・ジョンナム暗殺の顛末。
基本的にはドキュメンタリーだが、映画仕立てで理解しやすい構成になっている。
なお、この映画はアメリカ製作みたい。
容疑者として逮捕されたのは、インドネシアとベトナム出身の20歳前後の少女2人。
舞台はマレーシア、当然仕掛けたのは北朝鮮人。しかも、この北朝鮮人は日本人を騙ったりしてる。日本人の感覚としては、あんな見え見えの嘘が通じるのか?と思うのだが、同じアジアとは言え、他国のことは意外とよくわからない。日本人でも中国や韓国のことを、よく知ってるようで知らないわけだし。
しかし、この「イタズラ動画を撮る」という仕掛けを半年以上前から仕込んでいるのがスゴイ。何度も練習をさせて、しかも、2人は全く顔を合わせることなく、本番の1回だけでキム・ジョンナムを殺害する。VXガスで。手にかけて顔に塗るという手口も酷い。実行犯であるこの少女達の安全など、微塵も考えていない。
さらに、この後の裁判の顛末もなんとも酷い。
結局司法は容疑者を有罪にして面子を保ちたいだけ。証拠などどうでも良い。まぁ、司法の酷さに関しても日本も負けてはいないが。ただの官僚である検察官が、起訴するかしないかの起訴権を独占している国など日本くらい。一審を行う前のゼロ審を行っているようなもの。だから有罪率が99.8%なんてバカなことになる。まさに中世。
閑話休題。。
この裁判、結局はインドネシアとベトナムの政府筋から横槍が入って終わる。起訴を取り下げるという結果で。マレーシアの司法って何のためにあるのだろう、と思わせる。アジアは全般的に司法が酷い国が多いってことか。。
2人が助かったのは本当に良かった。
しかし、8人の北朝鮮人の容疑者は1人も掴まっていないし、マレーシアの北朝鮮大使館もそのまま。現在も国交を続けている。
要するに何も解決していないし、今後することもないだろう。
この事件の顛末は、この映画を観てようやく知った。
当時はニュースでかなり扱ってたけど、その後の話など日本のニュースでは扱わないので。
事実を知ることはそれだけで意味がある。
拉致問題が解決していない国に住んでる日本人は観るべき映画だ。
※追記
サイト運営側に一言。
何故か漢字で「キム・ジョンナム」と書くと、レビュー書く際に入力エラーとなる。意味がわからない。この単語がNGなのも意味不明だし、そもそもそれだとこの映画は論じられない。一体、何に対して気を使っているのか・・。
そんな覚悟しかないなら、こんなサイトは運営しないでほしい。