「【”サブカルを愛する心は消滅しない!”遊べる本屋「VILLAGE VANGUARD」を舞台にしたサブカルを巡る争いを奇妙奇天烈に描いた作品。 】」リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”サブカルを愛する心は消滅しない!”遊べる本屋「VILLAGE VANGUARD」を舞台にしたサブカルを巡る争いを奇妙奇天烈に描いた作品。 】
■今作を鑑賞する人は、「VILLAGE VANGURAD」を愛する人だけなのだろうか・・
◆私事で恐縮だが、私が就職先に選んだ会社の本社は愛知県にある。
こちらに来て、暫くたった頃に、「VILLAGE VANGURAD」と言う面白い本屋があるらしいという事を知った。私の本好きを知っていた同期が教えてくれたのだ。(彼は、生粋の愛知県民である。)
最初に「VILLAGE VANGURAD」本店に行った時の衝撃は、今でも覚えている。まず、建物が倉庫にしか見えない。店名を確認してから恐る恐る入ると、そこは夢の空間だった。内部の空間の大きさに圧倒される。天井は高く、3面の壁には天井までの本棚で占められている。当然、上には普通には登れないので、あちらこちらに赤い移動式鉄梯子が置いてある。
床面にはビリヤード台、オートバイなどが置かれ、ビリヤード台の上には多くの本が積まれている。そして、本の間には見たこともないようなグッズが多数あった。
本店には、結局半日ほど居た。それでも時間が足りなかった・・、全て見るには・・。
次に行ったのは、「VILLAGE VANGURAD EAST」である。店内に入るには13段の赤い階段を上らなければならない。そして、ドアを開けると眼下には本店よりもさらに広大な空間があった・・。
ーそう、今作で”本店”として登場するのは、「VILLAGE VANGURED EAST」である。本店は住宅街にあるので、「VILLAGE VANGURED EAST」を本店としたのだろうと、推察する。-
「VILLAGE VANGURAD EAST」は天井から小型機が吊るされ、本店よりもさらに高い本棚が空間を囲んでいる。
本店よりも、グッズが多い気がする。サファリコートのポケットに”ヘンリー・デイヴィッド・ソロー”の「森の生活」が挟んである。周囲はアウトドアグッズと関連本で埋まっている。
ビリヤード台に積まれた本の高さが尋常ではない。届かない・・。
あの黄色い紙に書かれた捻りの効いた的を得たポップもあちこちにある。
「VILLAGE VANGURAD EAST」は、本店と並んで好きな本屋になった・・。
■全然、映画の感想を書いていない・・。
”サブカル”を撲滅しようとする特別高等警察がいる世界に”行った”VILLAGE VANGURADの店員や店長が、”メインカルチャー”の大切さを認識しつつ、”サブカルチャー”を愛する気持ちを思い出す・・、と言う物語。
映画自体はかなりチープな作りで、途中、”杉下(岡山天音)たちが野宿をする後ろに聳えるイオンモールは名古屋茶屋店だよなあ・・”とか、”こうやって夜のイオンモールを観ると、どこも同じ作りだなあ”などと考えながらも、映画「薔薇の葬列」について熱く語るシーンや(DVDがあるのか!)丸尾末広の漫画、”つげ義春のねじ式は燃やしてはいけない!”などと思いながら、愉しく鑑賞しました。
◆蛇足
イオンモールの中の、「VILLAGE VANGURAD」しか行ったことがない方で本好きを自称する方は、一度「VILLAGE VANGURAD 本店」と「VILLAGE VANGURAD EAST」に足を運ぶことをお勧めしたい。
本屋に対する価値観が、ひっくり返りますよ。
■参考文献
1.菊池君の本屋ーヴィレッジヴァンガード物語ー 永江朗著
2.ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を 菊池敬一著