劇場公開日 2020年9月19日

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「ノーベル賞じゃなくフィールズ賞」おかえり ただいま kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ノーベル賞じゃなくフィールズ賞

2020年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ノーベル賞には数学賞がないため、フィールズ賞だよと言う恋人の須賀健太。そんな須賀は『ALWAYS 三丁目の夕日』では芥川賞を目指す吉岡秀隆の支えとなっていた。懐かしい。まさかのドラマパートが多かった本作品。東海テレビといえばドキュメンタリーの秀作を世に出しているだけに、ドキュメンタリーパートが少なくて驚いてしまいました。

 画期的な試みだったとは思いますが、そのドラマパートが冗長気味であり、要らない部分が多かったような気がします。母親(斉藤由貴)に家を買ってあげるという人生目標を訴えるために子どもの頃のエピソードを入れるというのもややこしくするだけ。犯人側の子どもパートも、事実と合ってないような気がした。がっつり恋人とのエピソードと母親の愛情を描けばいいと思う。

 そうは言っても斉藤由貴の涙のシーンにはもらい泣きしてしまったし、ドキュメンタリーでの富美子さんの行動力は目を見張るものがあった。死刑制度の是非を論ずる隙もないほど、被害者寄りの展開は潔くて良かったし、悲しみを乗り越えて「利恵の事件」を風化させない活動を続けているどころは後味も良かった。人生は二つある!

kossy