「演者の魅力」エノーラ・ホームズの事件簿 オスカーノユクエさんの映画レビュー(感想・評価)
演者の魅力
くるくる変わる表情を見ているだけで楽しくなってくる。愛嬌たっぷりのミリー・ボビー・ブラウンだから、第四の壁を超えた“語りかけ”演出も嫌味なく活きる。少女の成長物語としての側面や女性解放のメッセージに決して真新しさはないし、ホームズの名をタイトルに冠した作品としては推理の楽しさも十分とは言えないかもしれない。でも、それを補ってあまりある主演女優の魅力を目の当たりにすると、スター不在の時代にさしかかりつつある現代にあって、やっぱり演者の魅力は不可欠なものだとあらためて実感する。そんな新たなスターが、Netflix配信「ストレンジャー・シングス」で発掘され、「フリーバッグ」「キリング・イヴ」演出家の手でさらに花開くという構図は決して偶然ではない。ドラマシリーズにそれだけの才能が結集していることの証左だろう。
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