「「スペシャルズ?」 しかし、観るべき作品」スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話 リオさんの映画レビュー(感想・評価)
「スペシャルズ?」 しかし、観るべき作品
キャッチ―な作品名やポスターの印象とは裏腹に、重い社会問題を扱った作品。( ケン・ローチ作品に近い印象か。)
原題が気になったので調べてみると、フランス語で「Hors Narmes」(規定を逸した)とのこと。ああ、と納得。英語タイトルは「Specials」。邦題もこちらからとったのだろうが、内容を踏まえると違和感が強い。
因みに国内はGAGAが配給会社。明らかにエンタメ型の映画では無いし、ミニシアターで扱われてもおかしくは無い内容だが、この作品を全国のシネコンで観られる点についてはGAGAに頭が上がらない。一方で、広告から受けるポップな印象と作品との間には大きなギャップを感じたので、その点については敢えて記載しておきます。
内容について、正直感動した。観る価値の高い映画と感じます。
実際の医療・介護の現場はこんなに甘くないとの意見もあるようですが、徹底的に現場のリアルを伝えたいのであればドキュメンタリーを撮ればいいのであって、この作品の主目的はそこでは無いと個人的には感じます。(まあ、ドキュメンタリーには演出は無いといったイメージも、視聴者側の勝手な妄想かもしれないが)。
こういった社会問題に対して、普段は意識的で無い私を含めたほとんどの視聴者に対する問題提起であると。そして、これまでのレギュレーションやプロトコールなどは、これからの社会構造や価値観などに合わせて改善をしなければならないし、それは不可能では無いのだと。
最後に、自閉症を含めたCNS領域の患者さんたちとの新たな共生のあり方についても、ポジティブな可能性を示す内容でした。
> ミニシアターで扱われてもおかしくは無い内容だが、この作品を全国のシネコンで観られる点についてはGAGAに頭が上がらない
自分も勘違いしたまま観た方です。ただ、監督の名声を生かして多くの人に観せようという思いは、嫌いではないです。それだけの映画とは思いました。