「「カプセル怪獣けいかく」の番外編として、そして岩井監督の挑戦として、色々なこだわりが詰まった一作。」8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
「カプセル怪獣けいかく」の番外編として、そして岩井監督の挑戦として、色々なこだわりが詰まった一作。
一週間限定上映ということで観に行ってみたら、偶然にも上映後に岩井俊二監督のトークイベントが行われる(リモート)とのこと。幸運に飛び上がりそうになりながら鑑賞しました。本作が樋口真嗣監督らの合同企画「カプセル怪獣けいかく」の番外編として製作されたものだということも知らずに観たので、カプセル怪獣を育てるという設定にまず戸惑ったものの、むしろ日々変化する怪獣がウルトラ怪獣である(一部デビルマン)ことが分かっていくまでの経過も、先の読めない展開も、画面内の斎藤工さんと同様に楽しむことができました(途中の怖さは、明らかに『事故物件』を上回っている!)。
岩井監督とのトークイベントでは、運良く質問に応えて頂けたので、回答内容を含めて岩井監督の話の要点を書いていきます。
まず本作は、「カプセル怪獣けいかく」本編と同様にYouTube配信を前提に企画したけど、途中から劇場公開映画として作るよう方針転換したそうです。そして映像は全編白黒なのですが、これも当初のカラー撮影では映像の現実感があまりにも生々しかったため、試しに白黒映像に転換してみたところ、これが案外良くてそのまま製作を進めたそうです。ちなみに岩井監督作品としては初めての白黒作品とのこと。
登場人物の名前が微妙に実名と違うのも、往年のウルトラマンなどの怪獣映画を意識した結果だそうです。のんさんの役名にはある秘密が隠されているのですが、それを監督から説明してもらった時に、おおっ!と思ったと同時に、むしろ鑑賞中に気が付かなかったことに微妙なくやしさが。
小泉今日子さんの歌に非常にこだわったそうで、音楽について熱弁しているうちにイベント幕切れ、という展開が最高でした!