ブルータル・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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タラ、北野武、黒沢清
気に入った。
タラをベースに北野武と黒沢清を足してキリっと仕上げた。
冒頭早朝の締まったブルーの画の心地良さ。
緩急の塩梅の正しさ。
この監督の過去作を見ねば。
年テン上位。劇場で観ねばだった。
merciless
この監督のデビュー作、Bone Tomahawk(2015)は掠われた人質奪還の西部劇だったのだが、穴居人という未開の食人種族が出てくる。これが度肝をぬくゲテモノだった。
『奴らは獣の腐った血統だ、実の母親を○○し食っちまう』
(○○には強制性交の昔の言い方が入る)
とちゅう、見たこともない苛烈な残虐シーンが出てくる。
話じたいはトゥルーグリットに似ている。役者もセリフもキャラクタライズもしっかりしていた。
そして残酷が無類のリアリティを持っていた。
残酷描写。
たとえば日本の「鬼才」がそれをやるばあい、切ったり、刺したり、鋸挽きしたり、血まみれでのたうちまわったり、風呂場で解体したり、肉団子にしてみたり、そういう扇情描写もしくは傷口/患部をもって「残酷」を表現する──わけだが、ご承知のとおり、じっさいそれに「残酷」を感じるか──といえば、そんなことはない。
それらは「残酷だろ?」のドヤり、もしくはグロテスクを提供しているのであって、けっして残酷ではない。──わけである。
S. Craig Zahler監督がみせた残酷は、そのテの子供騙ではなかった。
Bone Tomahawkでは、穴居人が、とらえた捕虜の股間から斧をふるって人間を真っ二つにするのだが、それを、すごくあっさりやる。見せ場にせず効果にもしない。ドンと振り下ろして、内臓がどばどば落ちる。すぐカットをかえる。
それは残酷だった。
決闘や襲撃や死が、あっけない。
シェリフたちは穴居人の住処まで、長い道程を探訪するが、着いて囚われるまで、ほんのわずか。矢や斧が飛んできて、パタパタと決着する。
それはリアルだった。
すなわち、対立を設定し、舞台を設定しておきながら、そこでいささかも劇的ではない劇をやる──わけである。
うまく言い得ているかわからないが、通常の演出では、善悪があって、舞台があるなら、そこで劇的なことをやって、見せ場をつくる──わけである。
ところが、残酷や決戦が、見せ場にも効果にもなっていないゆえに、かえって、すさまじいリアリティと非情が見えてくる。
台詞も練られていた。
禁欲的でクールで死を畏れず、しかも笑えた。
Brawl in Cell Block 99(2017)は未見だが、本作Dragged Across Concreteも、そのスタイルは一貫している。残酷、ストイック、クール。Jennifer Carpenterがザクロみたいに撃ちぬかれる。情け容赦なしが青天井にパワーアップしていた。
ただしあくまで残酷は必然のなかで使われる。それを売りにしているわけでない。
動かず定点でとらえるカメラもいい。粒立ちがよくフレーミングもばしっと決まる。
張り込み中の車中でヴィンスヴォーンが卵サンドを食べている。となりでメルギブソンが押し黙って前を見つめている。苦味走った強面で。それだけをひたすら回している。絵は決まるが、どこか可笑しい。その理由をせつめいできないが、監督は死ぬほどセンスがいい。
S. Craig Zahler。滅多にいない優れたアクション作家だと思う。
シンプルな物語で緊張感のある2時間半
経済的に苦しい刑事が悪党の金塊を狙うという物語はシンプルで、しかし159分退屈しなかった。
物語の本筋に加えて、コンビニ強盗の場面や産休明けの女性銀行員など、枝葉の部分が丁寧に描かれるので、話の展開が見えにくく油断できない。もっとテンポよく進めることもできるだろうけど、緊張感のある2時間半であった。アメリカの乾いた空気、埃っぽさ、脂っぽい食事のにおいも、なんだか生々しく感じた。
それにしても、人なみに働いても満足な生活を送るだけの収入が得られない、格差社会が当たり前の前提として描かれるようになってしまった。我々の社会は進歩しているんだろうか。
クライマックスの面白さといったら
原題は渋い感じで邦題はB級映画みたい。
Dragged Across Concrete。
で映画は渋いほうなんだけど、濃い。面白い。
かっこよさとは無縁のいろんな人物のパッチワークがバラまかれていてひとつの強盗事件に向かっていくのだけど、前半の「日常」パートがずっとカメラ固定していて共感も感情移入もさせない描写で、で事件が始まるところから一気に動き回るバランスが最高。各キャラクターの背景が短時間かつ独特に紹介されて無残に散ってく様は本当に素敵。手垢のついた「銀行強盗」にもまだ手があったんだな、と。
"Shotgun Safari"
ちょっと前から「トマホーク ガンマンvs食人族」も気にはしていたが、新作はメル・ギブソンで劇場公開と監督の作品は一切観ずに本作を鑑賞、もうクセになりそうなS・クレイグ・ザラーにハマってしまった。
70年代の犯罪映画的な雰囲気と80年代のTVドラマ臭も感じられるような、個人的にはダサいと思う音楽含めザラー監督の突き抜けたセンスが堪らない。
殺されるだけの人にスポットを当てた演出、脇役が躍り出て来る主演の入れ替わり的なラストなど、あまり観た記憶の無いような物語展開と残酷描写や銃撃シーン、刑事二人の無駄に思える長い会話も地味に笑える。
上映時間も気にならない、この長尺こそが暴力的でもある!??
僕には合わなかった。。。
本作の監督作品の映画館上映は初めてなんだとか?
(あとで知りました)
メルギブソン出演ということで、有名監督であることも
全く知らず鑑賞。
うーーんお話としては嫌いでは無いけど
冗長的な演出が多くて、ちょっとイライラすること多数。
間を楽しむことが出来ませんでした。
バイオレンスシーンは見事でした。
殺し屋たちが怖い怖い。
殺され方、殺し方、怖い怖い。
怖いって大事ですよね。
でも、、、、合わなかったなぁ。残念。
作家性の強さ
個人的に嫌いではないが、他人には勧めない典型的映画
メルギブ(観る度に昔の面影が消えていく)とビンスボーンの組み合わせが、好きな人には最高なのだが一般受けはゼロ
銀行シーンの悲劇は被害者の背景を冗長過ぎるくらいに描いたお陰で、大変ショッキングなシーンに
初見で部屋で観ていたら確実に早送りするかスマホいじるので、劇場で観てこその映画(2回目以降は部屋でながら観オッケー)
話自体は単純なので、カット割の多用や時間短縮したら観やすくはなるだろうが、そうすると普通の映画になってしまい記憶には残らないだろう
確率は苦手でして
家の事情で金が必要だが、過剰な業務執行により、免停となってしまったことから悪党の金塊を横取りを企ててしまう警察の物語。
上映時間は二時間半越えということで、このテのサスペンススリラーとしては長いことが気になりつつ、観賞。
観てわかったのが、とにかくひとつひとつのシーンがやたら長い。もうちょっとサクサクいってほしかった。。
(コンビニをあんなにオーバーキルしなくても・・・(笑))
ドキドキさせてくれるシーンが多く、終盤の攻防は見応えがあったし、やりすぎ警官とかの問題は考えさせられるところだけど、とにかくスッキリさえしてたらもっと良かった。
なかなか最近ない作風
大満足です。
Sクレイグザラーの作品はその作風から好き嫌い分かれる。万人ウケしないからカルト化するんでしょうが。
今作も、ザラー作品常連の俳優人総出演。ウドキアやドンジョンソンが渋い。また、メローなソウルミュージックがいい。
しかしザラー作品を映画館で始めて観た結果感じたこと。個人的には家でつまみながら酒飲んで観るほうがいいかなと。
対価
60歳を目前にした仕事は出来るけれど粗雑な刑事が、行き過ぎた仕事で相棒と共に6週間の停職となり、とある犯罪者の仕事の儲けを横取りしようと企てる話。
重過ぎることもチャラ過ぎるなく、決してテンポが悪い訳でもないし面白いのだけど、チョイ役のバックストーリーに至るまで、驚く程に丁寧に書き込み、みせられて何がしたいんだか???長いし余計なシーンが多くてボヤケてしまう。
ゲームにTVに銀行に、ライオンが沢山出て来るけれど何か意味があるのか。ボヤキのアンチョビも意味がわからなかったけど。
腐れ縁な相棒との関係や事情とか、それでも残る善意やポリシーは良かったし、メインストーリーも悪くはなかっただけに、もうちょいムダを省いてスッキリさせて欲しかった。
少しだけど、グロ描写もあるので、苦手な人は要注意。
予想していた10%の展開だった
上映時間を見ても分かる通りまぁそれなりに長さはある。長さはあるがあまり退屈する事なく見られる。
まぁこの作品は頭空っぽにして目に映るものを楽しむ感じで僕は見させてもらった。
予告で想像してたよりもかなりヴァイオレンスなシーンやグロいシーンが多くそのタイプが苦手な人は要注意。
指が吹っ飛ぶあたりはそこまでだったが、臓器をえぐるシーンは比較的得意な方な僕でも少しグッとくるものはあった。まぁでもこの作品はそれまでに心の準備をしてくれるシーンがあるため見ていて楽しい。
無駄に音楽なども流れる事なく静かに淡々と犯罪が行われていく。好みは分かれるタイプだと思うがヴァイオレンスムービーが好きな人には強く勧めたい。
最後にメルギブソン演じるブレットが死んで終わるのは予想していた10%以下の展開だった。いい意味で裏切られた。
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