「70%面白い。残りの30%は?」ブルータル・ジャスティス つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
70%面白い。残りの30%は?
刑事のバディものとはちょっと違って、出てくるヤツはみんな悪人って感じのハードボイルド系かなと思う。
「悪い」の差がそれぞれで、そこでドラマができる。
好みの問題なので人それぞれだろうが個人的に面白いと思ったのは会話劇だ。ウィットにとんだ会話、ジョーク、皮肉、特に「警官の中ではリベラル」と「マイノリティを捕まえた?」は吹き出して笑った。
そういう意味ではマイノリティに対する差別や富裕層ではない人々の生き辛さなどを泥臭いアクションに自然と盛り込んだ社会風刺の側面もあったかなと思う。
面白く観ることはできたが最後までエンジンがかかりきらなかったように感じるのはテンポの悪さにある。
軽く群像劇の様相もあるので、どう絡むのかわからない関係ないようなシーンが長かったり、言葉の通りただにらみ合うだけの、間のシーンが長かったり、特に後半はアクション色が強くなっていくので、楽しんでいた会話劇も薄れてしまった。
ここで引き合いに出すのもあれだがドラマシリーズの「トゥルーディテクティブ」のような系統の作品だったなと思った。
つまり尺を詰めるのではなくむしろ伸ばしてドラマにしたらもっと面白かったように思えた。
最後に内容に触れることを少し書く。
人の道を踏み外さず最後まで人間でいたものだけがライオンを狩ることができる。
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