「主人公の印象がコロコロ変わる面白さ」スパイの妻 劇場版 EIGAXYZさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の印象がコロコロ変わる面白さ
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物語が進むにつれて、蒼井優演じる妻の聡子に対する印象が次々に変わっていく。結局この女は何者なのだ?と引き込まれる。
いたいけなヒロインだと思っていた聡子が一転、夫を助けるために仲間を売ったりする辺りも怖い。
結局夫は妻をダシにして自分だけ逃げ延びたのか?あるいは危険な旅に巻き込まない様に、自分が聡子にされた密告と同じ方法論であえて密航を阻止させたのか?
9.5ミリ自主映画での余興が色んな伏線になってるところが憎い。
精神病院らしき場所で狂ったフリをして追及を逃れていたかと思いきや「私は狂ってませんから」とほくそ笑むシーンでそれも怪しくなってくる。そもそもこの物語自体が狂った聡子の妄想だった可能性も?(カリガリ博士みたく)。空襲で崩壊した病院の中を歩いていくカットも幻想的で記号的で現実感がない。
NHKのドラマとして作られたせいなのか、映像に深みが無くて、重厚な内容と合わないのが残念。
専門家ではないので何がこの軽さを生んでるのか判らないが、ライティングが下手なのか?8Kのカメラは綺麗なだけで一眼レフカメラの様な深みが出せないのか?NHKのお偉いさんからお茶の間でも観易い様にライトな画作りを求められたのか?そもそも日本の映画・ドラマは映像の深みを重視していないのか?ハリボテの舞台劇みたいで映像視聴の快感がない(海外はドラマでさえ映像の深みがある…予算の問題?)。いやいやもしかして聡子の妄想説がここに繋がるのか?それであえてリアリティのない映像にした?
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