「真実は鑑賞者に委ねる」スパイの妻 劇場版 真理さんの映画レビュー(感想・評価)
真実は鑑賞者に委ねる
クリックして本文を読む
前から観たかった作品
ようやくdvd鑑賞
なのにうっかり寝てしまった部分があって、後ろから鑑賞し直した
最初見た印象は、優作のひどい裏切りと感じたのだけれど
後ろから見直すと全てが、優作の計算で深い愛が見えてくるから不思議だ
亡命資金作成の為に貴金属の買い物の際の聡子の浮かれきった様子、尾行に気づかない妻の様子は、メイドにでさえおかしいと気づかれているのに、本人はごまかせていると思い込んでいる稚拙さ
優作は、聡子に美しい育ちのよい妻であることしか望んでいなかった
その妻が、密航するとか(自分の糞便とともに食事をすること)想像さえ出来ずに、愛の為にできると思い込んでいる
そんなことをさせたくなかったこともあるだろう
そんな聡子に愛しさを感じながらそれは重荷で枷で、全ての計画を無にしてしまう恐れ
全て利用するしかなかったと思う
最後
戦後の翌年に、夫の死亡通知が届き偽造された後があり、それをみて聡子はその数年後渡米する
私は、優作は生きていて彼に呼ばれたと思う
病棟で昔の知人医に語る聡子の言葉が深い
彼女が見通していたのはここまでだったのだろうか
それとも彼の計画と愛までだったのだろうか
監督 黒沢清って知って少し以外だった
もっとえぐい話を感情的な映画にしたがる監督と思っていたからだ
楽しめました
コメントする