「余りにも稚拙な犯罪」はりぼて odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
余りにも稚拙な犯罪
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第二の議員報酬とも称され、全国の地方議会で不正使用が後を絶たない政務活動費(政活費)、城崎温泉(豊岡市)に195回の空出張を繰り返した兵庫県議の野々村竜太郎の2014年7月1日の号泣会見がTVで報じられ呆気にとられましたね・・。
本作はその翌年、富山市議会で連鎖辞職騒動を巻き起こした不正議員への取材活動を描いたチューリップTVの報道ドキュメントです。
領収書の改ざんなどすぐにばれるのは子供でも分かりそう、余りにも稚拙な犯罪、謝罪したり開き直ったりする当事者と他人事のような為政者、地元の損得しか考えない市民が御用聞きのような議員を輩出してきたことは自明ですね、本作はまさに日本の政治の本質を突いた悲喜劇です。
当時、チューリップTVの報道キャスターで取材の中心人物でもあった五百旗頭幸男(いおきべ ゆきお)監督は、不正を働いた議員が悪いのは基よりだが単純に正義感で片づけられない根の深さを感じている、はりぼてとは日本の戦後民主主義を象徴する言葉として用いたとも語っていた。
退社シーンでやっぱり会社に圧力があったのかと思ったが真相は不明、五百旗頭氏は石川テレビに転職後も石川県議会に矛先を変えた「裸のムラ」を撮っています。
さんざん報道されているので映画にしてまで観ようとは思いませんでしたが、色々考えさせられる良作でした。
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