「評価が分かれそうな作品ですね。」ウルフ・アワー よしさんの映画レビュー(感想・評価)
評価が分かれそうな作品ですね。
精神を病み、家から出られなくなった女性の苦しみを描く物語。
WOWOW公式レビューでは「心理サスペンス」となっていたのですが、サスペンスではないですね。
自らの小説で「家族を壊してしまった」との自責から、家に閉じこもってしまった女性作家。
酷暑の中、「極貧の喘ぎ」、「不気味なブザー音」、「性的欲求」、「友情と嫌悪」・・・幾人かの来訪者と、何本かの電話応対を行いながら、様々な感情に揺れ動く女性を映します。
ダウンな描写からいきなりラジオ音楽に合わせて踊り出すシーンや、ラスト近く電話をかけまくるシーン等、強く印象に残るシーンもあり、地味ですが好印象を持った映画です。
ただ、ラストの展開はやや雑な印象です。引きこもった彼女の殻を壊す象徴的なシーンだったのでしょうが、唐突感の方が強く感じたのが残念なところ。
サスペンスとして観始めた私としては戸惑いも大きく「高い評価」は付けにくくなりましたが、人間を描くドラマとしては一見の価値がある映画だったと思います。
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