アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のレビュー・感想・評価
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事実は小説よりも奇なり?
うーん…
まさに予想外のラスト(笑)
評価が割れそうな作品ですね…
僕は否定的です(笑)
エンドロール後、立ち上がり出口に向かう皆さんの空気からは、否定的なモノを感じました(苦笑)…
真面目で実直な方が作った映画って感じですね。
事実に基づく映画です。
ネタバレはイヤなので、この辺でm(__)m
人生は待つことの連続。
さすがフランス映画。
ただ面白かった!では終わらないのね。
ちょっと理不尽で、ちょっとアンモラルで、ちょっと引っ掛かりを残してくれる。
後味すっきりではない映画の方が記憶に残るもんだね。
人生は待つことの連続、という言葉が妙に心に残り、確かにその通りと納得。
私たちは、常に何かを待っているのだ。
何かを待つことから解放されたとき、確かに一瞬の自由を感じる。
そしてまた次に待つ何かを求め、放たれ、一瞬の解放感に浸る。
その繰り返し。
人生で待つ対象は人それぞれ、だから感じる自由も人それぞれ。
多様性とはそういうことか。
囚人たちの大舞台は、売れない役者エチエンヌが最高に輝く場所でもあったのだ!
ピンチをチャンスにいかに変えるか・・・、そうだ、人生を楽しもう!
日本最速?先行上映会なのでネタバレは少なめに…/日仏の刑務所に対する考え方等
今年188本目(合計464本目/今月(2022年6月度)35本目)。
正規の公開日が7/29と1か月以上後である上、なぜか大阪市が日本最速だったようです。こういった事情もあるのでネタバレは少なめに。
日本では刑務所といえば、懲役を科して作業をさせるというイメージが強いですが(最近の改正で、数年以内には「拘禁刑」になりますが、現時点では「懲役」なので、これに統一します。以下同じ)、フランスは保安上の理由から持ち物検査といった概念があること自体は事実でも、部屋に持ち込むものも日本に比べるとだいぶ自由だし(映画内参照)、条件によっては数日の外出が許されることもあります。
この映画は「実話に基づく」としたもので、そうした日本とは異なる文化のあるフランスのある刑務所を舞台に、演技を教える先生が刑務所の中に入ることを許され、演技に興味がある受刑者たちにそれを教え、説得して(一時的に)外に出て公演を積み重ねるごとに、反響が大きくなっていき、フランスでもさらに規模の大きいところで公演を行うところまでこぎつけると、そこで待っていたものは…というストーリーです。
実話ですのであることないこと書けない事情もあるし、ネタバレも好ましくないので、この程度にしましょうか。
採点上、若干気になった点があるものの(刑務所のいわゆる「壁」と文字が同化して字幕が読みづらいシーンがあるなど。前半2分)、大きな傷ではないと思うのでフルスコアにしています。
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▼ (参考/日仏の刑務所に対する考え方の違い)
・ 日本では上記の通り「拘禁刑」に近いうちに一本化されますが(まだ、統一が決まったというだけで施行はされていない)、従来の「懲役」には次のような問題がありました。
・ いわゆる短期収容を除けば(短期収容でも懲役の義務はあるが、実際には仕事を教えたりシフトを変えたりという点が面倒なので、いわゆる「復帰センター」と呼ばれる類の非難の程度が極めて低い初犯を扱う刑務所では事実上形骸化している)、懲役刑は課せられます。
しかし、懲役20年、25年ともなると懲役の義務はあっても、出所後には何の役にも立たないことは明らかです(無期懲役ならなおさら)。そのため、事実上今の「懲役刑」が意味をなすのは5~7年程度の収容者のみ、といわれます。
さらに、懲役はその性質上服役者の義務ですが、出所後にそれを生かした仕事につきなさい、というのも無理なので(憲法22/職業選択の自由)、刑務所側は「懲役的な作業も含むが一部に社会復帰的な要素がある」ともいえる、介護やフォークリフト、各種伝統工芸などの作業も、「実際には」あまり意味をなしておらず(もちろん、出所後にその技術を使って立て直している人もいます)、ここがちぐはぐだったのです(改正の一つの要因)
・ また、ニュース報道などでも明らかなように、刑務所のいわゆる「老人ホーム化」が進んでいます。懲役刑である以上、「○○作業」でなければならないのですが、逆に「○○作業」という名前は使わなければならないが、使っていればそれでよいため、結果的に「リハビリ作業」や「知能維持作業」といった、事実上「老人ホーム」と化している実態があることはご存じの通りです。もちろん、こうした作業に「免除」されるためには、認知症などと診断されることが条件になりますが、認知症を詐病することは普通できませんから、実際にそういう「作業」には何ら実態的な「懲役」としての作業が何ら期待できず、ここも実態とかけはなれています。
・ さらに、あまり論じられることはありませんが、日本での懲役刑は基本的に(男性の一般の刑務所でも)軽作業が大半です。この結果、日本のいわゆる身体障害者などの施設でいう「授産施設の作業を奪っている」という実態があることはこれもまた程度の差はあれ事実で、これも趣旨を没却しているのです。
すなわち、こうした「大半、趣旨がよくわからない「懲役」作業なるものをかして、他に迷惑をかける(特に授産施設の作業を奪われると、真に必要とされる人は仕事ができません)という「趣旨のわからない」作業をかしておきながら、こうした「懲役刑」(禁錮刑)は「自由刑」で、換言すれば「自由な行き来を禁止する行為」です(憲法22条の移動の自由を制限する行為。これが禁止できるのは、刑務所という特殊な性質にほかならない)。そうであれば、「よくわからない作業をさせるくらいなら、単に「自由刑」だけを取り入れたほうがよいのでは」ということが今回の改正であり、また諸外国でもこういう考え方のほうが普通ですし、また、結局「外に出られない」点を除けば他は自由(テレビを見ようが写真を持ち込もうが、原則自由)という国も多いです(映画内でもそうなっています)。
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・ 日本ではこうした改正点もありますが、それでも「一時的にでも外に出て活動を行う」ということはよほどの状況でないと認められない現状は(改正刑法・刑訴法等、運用上でも)同じであり、ここをどうとるか(治安を確保しつつ、社会復帰を前提としたこうした活動を推進していくか、あるいは「自由刑」の趣旨を完全に徹底し、一切許さないとするか)は、国の考え方というのも一つありますが(立法は国会の役割)、とはいえ、日本国民(便宜上、日本に適法に長年在住して事実上日本人と同一視できうる外国人も含む)の世論等、考え方も絡んでくるでしょう。
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