「舞台の上だけが、俺たちの自由!」アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台 0k0さんの映画レビュー(感想・評価)
舞台の上だけが、俺たちの自由!
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彼らは、作中では結局何をしたのか詳しくは分かりません。強盗だとかチラッと出たくらい。やることやってるから服役しとんすわ。
ちゃっかり中でハシシやっちゃってるし。服役する意味。
皆それぞれ目的があって頑張る。
ジョルダンは文盲で、そんな彼が長台詞(3ページ分)を覚えるほどの本気具合。
カメルは、役を奪うまでして割り込んできた時は「これ娑婆に出たら即逃走する奴!」と思ってたけどその時は逃走せず。→息子に会いたかった…という切実な願いが発覚。
あぁ、彼等も人間なのか、と普通に思った。明らかに人間だけど。
今までまともに浴びてこなかっただろう喝采を浴び、人としての(犯罪を起こさないで得た綺麗な)自尊心を芽生えさせたかと思えば、戻れば全身検査。人からの愛のこもったプレゼントを目の前で乱暴に扱われる始末。刑務官はそれが仕事だから仕方ない。
芽生えたものが踏みつけられてまた芽生えてまた踏みつけられて、を繰り返せば、そりゃもう心はぐちゃぐちゃだなと思う。
逃げるのも納得。
模範囚で刑期も残り僅かな彼らが逃げるほどに心はもうもたなかった。
だけど、やはり犯罪を犯した以上被害者(もしくは遺族)がいるんだろうから、なんか、感動してる場合か?と思った。
不条理劇にあった現実だったかなと思います。
舞台の上だけが、俺たちの自由!
そこにしか彼らの自由がなかった。
可哀想だとは思うけど、仕方ないとも思う。
なんか、白けた考えだとは我ながら思うけど、最後感動はできなかったな…
彼らが自主的に戻ってくるワンシーンでもあれば良かった。
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