「演劇は、本当に矯正や更生に役立つのだろうか?」アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
演劇は、本当に矯正や更生に役立つのだろうか?
主人公が、なぜ、囚人たちに本格的な戯曲を演じさせようとしたのかが分からず、映画が始まってから、ずっとモヤモヤしていた。それが、予想外のラストで明かになり、ある意味、そのことも伏線だったのかと納得させられた。
ただ、「待つこと」を知っている囚人たちだったら「ゴドーを待ちながら」を上手く演じられるはずだと思ったという説明は、少し綺麗ごとすぎるようにも感じてしまった。
売れない舞台俳優の彼にとって、演出家として称賛されたいという願望は間違いなくあっただろうし、実際、オデオン座の舞台の上で拍手喝采を浴びたのは彼だったのである。
あの場で、本当は、自分のためにやったことだと、正直な気持ちを吐露していれば、ラストのスピーチは、より感動的なものになったのではないか・・・
それにしても、「自由へ逃避」した囚人たちは、更生することができたのだろうか?
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