「主役の年齢問題」ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ Rorschachさんの映画レビュー(感想・評価)
主役の年齢問題
クリックして本文を読む
映像はとても美しい。最初、主人公が住む町で黄色い防護服を着た人たちが何やらゴミ収集らしきものをしているところを通り過ぎると、そのあとに町の有名人(?)であるピンクのネクタイをした男が台の上に乗って演説しているところに出会うというシークエンスなどはひじょうに映画の先行きを期待させるオープニングでした。
しかし、そこからの話が……。
要するに主人公の行動が幼すぎるのです。
どう見たって、彼が執着する家はおじいちゃんが建てたものだとは思えないほど、時代がかったものだし、その家に住みたいから不法侵入するという短絡的な行動もそう。また、父親との関係も妙にぬるかったりする。
だから、私は正直、「この主人公は馬鹿じゃないの?」と思ったのですが、でも、あとで映画.comの解説を見ると「主役の人が10代に経験したことをベースに」と書いてあったので納得(パンフは映画館になかった)。
そうです。これって、主人公が13~14歳くらいの少年だったら、どんなバカでも共感できたと思うし、感動できたと思うんですよ。それを大人にシフトしたから、なんとも座り心地の悪い物語になってしまいました。そうすれば、また、この唐突なエンディングももう少しは説得力のあるものになっていたと思います。
なんとも残念な映画でしたね。
コメントする