劇場公開日 2022年2月25日

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「五輪による弊害ってどの国も同じか。」GAGARINE ガガーリン せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0五輪による弊害ってどの国も同じか。

2022年3月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

パリの公営住宅ガガーリンに住むユーリはこの団地が大好きだが取り壊しが決まり、退去が完了し封鎖される。それでもなお団地に住むユーリの話。

去年公開された『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』も五輪によって取り壊しが決まった団地の住民たちの様子を追った映画で、まさに今作もそれと同じようなことが起きてる。五輪によるその他への影響ってどの国でも同じなんだな。

でもガガーリンの場合、高齢者だけじゃなく移民や低所得者家族が狭いところでギュウギュウに住んでるのが高齢化社会の日本とは違う。ガガーリンとユーリの決別が、最終的にユーリの大人への通過儀礼になってるのもまだ希望が見える。母親や友との思い出が詰まった場所から離れ外へ出ていく少年と、一方で日本は終の住処を奪われる高齢者じゃもう絶望しかないわ。

それにこの古びれた団地をアート映画としてお洒落で洗練された建物風に映すのは日本にない感覚。どうしても日本の古い建物って描くとホラー寄りになってしまう気がする。

オリンピックがあるから古い建物を整理するというのに関わらず、最近映画でも都市再開発による問題が題材になってるの多い。『ウェスト・サイド・ストーリー』も土地の工事が決まった場所が舞台だったし、『キャンディマン』も低所得者住居だった場所を再開発して高層アパートになった場所が舞台。

こうやって低所得者が追いやられてそこに裕福な人達が住んで、でもその場所も時間が経つと古くなって低所得者層の住居になって、また再開発して、、っていうふうにどうせ巡回していくものなのでは?綺麗でも低所得者が住めるように改築してくれ〜オリンピックやるお金あるなら絶対それできるだろ。

せつこん