「メアリーの手」アンモナイトの目覚め talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
メアリーの手
メアリーの手はいつも働いている。動きやすいようにスカートをまくり上げて縛る、化石を探す、掘り起こす、磨く、スケッチをする、詩を書く。卵を取ってくる、ジャガイモの皮をむく、海岸でおしっこをして手を適当にスカートで拭く、煙草を吸う。シャーロットの看護をする、額に腕に濡れた布を置く、シャーロットの額に手をあてる。母親に死に装束を着せる。その手はごつくて爪の先はちょっと黒い。いい香りがしそうで白くてすべすべしたシャーロットの手とはまるで異なる。
ウィンスレットは完全にメアリーだった。無口、無愛想、笑わない、高い矜恃とまっすぐな視線。彼女の心の動きは、眼差しと赤みがさす頬が教えてくれる。
シアーシャとウィンスレットのベッドシーンは凄くリアルでありつつ素敵だった。こんなの見たことなかった。
メアリーの母親は子どもを10人生んでそのうち8人を亡くした。彼女が一つ一つ大切に磨いている8個の小さい置物は、亡くした子どもの一人一人なんだろう。
シャーロットは教養があって頭も良くて社交的で美しい。でも人参の皮もむけないし、石炭を運んでくることもできない。上流階級で、働く必要がなくて、暇で退屈を持て余している。だから、最後にとんでもない間違いをした。メアリーのことをわかってなかった。それでも博物館で見つめ合う二人の姿は深くて美しかった。
ケイト・ウィンスレットは、「タイタニック」の印象(ガタイがでかいなど)が強すぎて、その後、見ていませんでした。でも、「おとなのけんか」「コンテイジョン」そしてこの映画と見て、素晴らしい役者!とやっとわかり、好きになりました。これからも彼女を見ていきたい。
シアーシャ。石炭ひっくり返して顔が真っ黒。そのままキッチンに戻ってメアリーを見て、ちょっと笑ってから、あまりの情けなさに泣くところがすごく好きです。そのシアーシャの表情を思い出すだけで、自分まで泣けてくる。
talismanさん、おはようございます。
ごつごつした感じはいいですね~
wikiで写真なんかを調べると、体形も似せていたんだとわかり、ウィンスレットの女優魂を感じました!
ウィンスレット・・・外れなし!
おはようございます。コメントありがとうございます。
なんか、映画.comの通知、届かないことがあるんですよ。
僕と相性が悪いのかなあ😁
この映画は、燃ゆる女の肖像には及ばないけど、良い作品だと思いました。
今、NOBUさんのところのtalismanのコメント見ました。
恐れ入ります。ただ、食い意地がはってるだけですw
この映画、映像が素晴らしいので、セリフが少なく、静かでも、眠くならない。ロックの爆音の方が眠くなりがちなアタシですw
今晩は
ケイト・ウィンスレット出演作で一番好きな作品は「愛を読むひと」と「大人のけんか」のNOBUです。(けれど、「大人のけんか」で、一番好きなのは、喧嘩中に矢鱈に携帯電話を使うクリストフ・ヴァルツです・・。)
今作、漸く観れました。雨の中出かけて良かったです。
静謐だけれど、抑鬱した二人の身分違いの女性の姿が印象的でした。大袈裟な音楽が流れる事もなく、けれど二人の似た者同士の恋と、その後の展開に魅入られましたね。
素敵な時間でした。
軟膏のお方との過去をみるに、メアリーは元々そちら側で、目覚めたのはシャーロットかなと思いました。
おっしゃる様になんか偏見的で、いずれにしてもあまり良い気分のしない邦題ですね
度々すいません・・。
今作、観たいのですが、都会に行かないと観れなくて・・。talismanさんのレビューを読んだら、益々観たくなりました・・。
会社近くのミニシアターで上映してくれないかなあ・・。
最近思う事。
”この作品は、絶対面白い!この作品は微妙かもしれない・・。”と言う事がフライヤーの隅々まで観ていると分かるような気がします・・。
当たる確率、70%かな・・。
メアリーの働き者ならではの汚れたゴツい手。
ナウシカなら絶対、私はこの手が好き、と言ってます。
〝姫さまは好きだと言うてくれる〟
と風の谷のお年寄りがおっしゃってたのを思い出しました。