劇場公開日 2022年7月20日

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「【今作は、1970年代。麻薬カルテルが台頭するコロンビア・メデジンで疫病を防ぎ、自由を謳った父の姿を息子の視点で描いた情熱のメモワールなのである。】」あなたと過ごした日に NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【今作は、1970年代。麻薬カルテルが台頭するコロンビア・メデジンで疫病を防ぎ、自由を謳った父の姿を息子の視点で描いた情熱のメモワールなのである。】

2025年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

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幸せ

■公衆衛生が専門の大学教授である父、エクトル・アバド・ゴメス(ハビエル・カマラ)と同じ名を持つエクトル・ホアキンは、5姉妹に囲まれた唯一の男子として父に深く愛されて育つ。
 そんななか、姉のマルタが疫病に罹り亡くなってしまった事をきっかけに、父は政治活動にのめり込んでいく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・前半は、エクトル・ホアキンがキンキンと呼ばれ、家族、特に父に愛され好奇心旺盛な肢体に興味を持つ彼が人として父の教えを受け、成長していく様が家族愛の風景と共に描き出される。
 コロンビア・メデジンでは、下水施設が劣悪な状況下で、子供達にチフスのワクチン接種を行い、地域貢献をしようとする人道主義的思考を持つエクトル・アバド・ゴメスを、家族は温かく且つ尊敬の念を持って接しているのである。

・後半は、成長したエクトル・ホアキンが作家を目指す中、エクトル・アバド・ゴメスが反社会勢力から”共産主義者”と言われ、暗殺予告を受けながらも、政治の道を歩む姿が描かれる。彼は、腐敗したコロンビア・メデジンの改革をしようと思ったのである。
 そんな父を、心配する妻や家族たちの姿。けれども、彼らは誇らしげにエクトル・アバド・ゴメスを愛し、尊敬し、彼の生き方を尊重するのである。

■だが、或る日、エクトル・アバド・ゴメスは同僚の教師が殺された葬儀に出るためにおびき出され、白昼の街中で凶弾に斃れるのである。
 その死体に取りすがりながら、妻は”何で、こんなに良い人が殺されなきゃいけないの・・。”と涙するのである。

 <今作のフライヤーを見ると、エクトル・アバド・ゴメスと幼いキンキンと姉のマルタが仲よく手を繋ぎながら歩く後ろ姿が映っている。
 そして書かれている惹句”未来を教えてくれた父―忘れない。”とあるのである。
 今作は、1970年代。麻薬カルテルが台頭するコロンビア・メデジンで疫病を防ぎ、自由を謳った父の姿を息子の視点で描いた情熱のメモワールなのである。>

NOBU
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