「映画は最高の教科書」あなたと過ごした日に 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
映画は最高の教科書
1970年代、麻薬カルテルが台頭するコロンビアを舞台に、自由を声高に謳う医師である父の波乱の人生を描いた、真実から生まれた物語。 とポスターにあったので、犯罪組織に屈することなく闘う父親の物語、のような内容を想像していた。
ほとんどが父親を中心とした母親、五人の姉妹と主人公の少年の心あたたまる家族の描写に費やされる。
ハビエル・カマラ演じる父親が、信念を曲げない、実直な、それでいて家族をはじめ周りの人に対してどこまでも優しい。
こんな父親になりたかったな、こんな父親がいたらな、と思うほどのいい人物。
それだからこそ、最後の悲しみが増してくる。
ただ、政治活動にのめり込んでいく経緯が深く描かれていないようで、緊迫感に欠ける気がした。
原作ではそこもしっかりと描かれているのだろう(チラシや公式HPのストーリーにはそれが中心のように書かれているから)。
女性たちが(子どもから老人に至るまで)みんな魅力的。それに引き換え主人公の少年・青年がただの甘やかされて育った馬鹿息子に見えてしまった。
70年代、80年代のコロンビアが舞台。馴染みのない国の人たちの日常、事件、宗教、歴史に触れることができた。映画って最高の教科書だ。
いつも行くイオンシネマに早くからポスターが貼ってあったので、結構メジャーな作品かと思っていたら、全国で十館しか公開されてないんですね。
イオンシネマに感謝。
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