2020 世界終焉の日のレビュー・感想・評価
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妄想の断片集
都市に原爆が落とされるという集団幻視から始まって宇宙船の飛来で混乱させられる。挙句に妄想、回想、悪夢などが混ぜこぜになって、いったい何なのこの映画と、監督への不信感がつのります。終盤になって何とか分かったような気になりますが、確信はもてません。
余りにも支離滅裂な展開なので主人公は精神病院の医師と患者と言う設定で言い訳しているようです。
(ネタバレ)
主人公の妻は小学校の教師でノアの方舟の講義をしています、まさか伏線だったとは・・。
この映画の新規性はエイリアンを救世主もどきに描いたことでしょう、ただ拉致された人々は棺桶のような箱に入れられており、母船の中も立ち枯れた大木が林立するような異常な景観、箱は無数にありミノムシの繭のようにもみえますし、食料や水の提供が見えなかったので冬眠か生命維持装置のような解釈も仄めかしているのかも知れませんね。異星人は姿を見せませんし何も語らないので真意は不明。
小型艇がやたら光線を放ちますが武器なのか転送なのか紛らわしいし、わざわざ胡散臭さを匂わせて真相をぼかしていますので、人類に希望があるかどうかは分かりません。
まあ、信じるか信じられないかはあなた次第ということでしょう。
CGもアナログ感満載、母船の形状は三又の槍、何か宗教上の暗喩なでしょうか、ロンギヌスの槍は二股でしたね、英国映画ですし英国の守護神だった女神ブリタニアの槍かもしれません。
ポスターに「2020年、奴らの襲来により世界は終わる」と書かれているので宇宙戦争ものかと思わせて第三次大戦での自滅というひねったプロットがミソでしょう。サイモン・コックス監督は少年の頃からのSFファン、本作の構想は1999年、脚本に3年、実現まで17年かかったのはお金が無かったから、クラウド ファン ディングで何とか完成に漕ぎつけたようです。それもマグカップの販売や900人を超えるエキストラ出演などアイデアを凝らしたようでエンドロールが8分と長いのもそのせいでした。
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