「今作は、哀しみの一族・蚩尤の羌瘣(きょうかい)が主役。」キングダム2 遥かなる大地へ HALU6700さんの映画レビュー(感想・評価)
今作は、哀しみの一族・蚩尤の羌瘣(きょうかい)が主役。
「前作超えは出来なかった」だとか、「イマイチだった」といった感想を沢山目にしていたので心配しながら期待値のハードルを下げて劇場鑑賞に臨みましたが、その心配も結果的には杞憂でした。
今回の続編では、嬴政(吉沢亮さん)が治める秦国に隣国・魏国が侵攻し、信(山﨑賢人さん)も、縛虎申(渋川清彦さん)率いる千人将の中の歩兵の一人として大軍が激突する合戦の場に身を置くこととなるのですが、ワイヤーアクションによる演出とは言え、前作同様に、信の極端な超人並みの跳躍力など「それは有り得ないんと違う?」というシーンが多かったのは相変わらずでした(汗)
歩兵の中でも弱小の伍(五人組)の伍長・澤圭(濱津隆之さん)があまりにも説明口調過ぎるのは致し方ないとはいえ、ただ今回での主要人物でもある、哀しい目をした暗殺一族・蚩尤(しゆう)の羌瘣(清野菜名さん)との合流の仕方にはやや不自然さが残りました。
何よりも、今作では、そのアクションにも定評がある、羌瘣役の清野菜名さんの無敵なアクションが格好良かったです。
主人公の信役の山﨑賢人さんや千人将の縛虎申役の渋川清彦さんもアクションシーン以外でも馬を操るのも上手くて驚かされました。
広大な平原で砂煙を巻き上げながら突進する魏国の騎馬軍団などとの戦い方があたかも「マッドマックス」や「インディ・ジョーンズ」を彷彿させる部分もあり面白く観ることが出来ました。
また今回の続編は人間ドラマのパートの描写がかなり薄かったのですが、アクションを目当てで観に行っていたので、その点は私的にはあまり気にせず面白く観ることが出来ました。
あと、少々残念だったところは、信役演じる山﨑賢人さんが、今作でも、いまだにオラオラ系の戦国ヤンキーっぽい口調や態度が抜けきれないところに全く成長が感じられず、王騎将軍(大沢たかおさん)に「少年」だの「童(わらべ)・信」などと呼ばれ、その生意気な態度をたしなめられるところなど、前作の王宮奪還から半年後の設定だからか未だ仕方ないとしても、今後の信の人間的な成長を期待したいと思われました。
前作で名前だけの登場だった呂不韋(佐藤浩市さん)に、昌平君(玉木宏さん)、蒙武(平山祐介さん)が最後に登場し、次回作『キングダム3』へ期待を持たされました。
また、あくまで私的に非常に残念に感じたのは、エンディング曲のMr.Childrenが歌う主題歌『生きろ!』が全く作品の雰囲気にマッチしていなかったのが残念でした。
前作のONE OK ROCKの歌う主題歌『Wasted Nights』が、凄くこの『キングダム』の作風にマッチングしていたので、あくまでもオトナの事情とはいえ、今作での主題歌担当交代は残念でした。
BGM音楽担当のやまだ豊さん作曲の音楽は前作同様に素晴らしかったです。
エンディングロール最後の最後に、『キングダム3』の予告編のような特報が付いていましたので、劇場内が明るくなるまで最後まで席を立たれない様に。
その2023年公開予定の次回作の特報には、楊端和(長澤まさみさん)がチラッと映っていましたので次回作に期待大ですね。