いのちの停車場のレビュー・感想・評価
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命を売りにしてはいけない
最初の10分、小百合様の変わらない美しさにドキドキする。が、話が進むにつれて違和感を感じることが多かった。
1.不治の病の患者のショートストーリーをたたみかけてくるだけの脚本。
2.妙に靄のかかった映像
3.これでもかと盛り上げようとするBGMの多用
4.結局、オチがわからない
田中泯さんや松坂桃李さんの芝居はいいなあ、ということで
お茶を濁すわけにはいかない。
コロナ禍の最中に団塊世代が終活について考える映画であると思いました いや良く考えてみると本作は全ての年代の方にそれについて考えてほしいという映画であったのです
停車場とは、劇中になんどもに登場する路線バスの停留所のようです
この停留所は残念ながら金沢ではないところで撮影されたようです
吉永小百合77歳
田中泯77歳
西田敏行74歳
泉谷しげる73歳
みなみらんぼう77歳
皆さん失礼ながら終活の年齢です
コロナ禍の最中に団塊世代が終活について考える映画であると思いました
いや良く考えてみると本作は全ての年代の方にそれについて考えてほしいという映画であったのです
柳葉敏郎は少し若くて61歳
それでも終活をそろそろ意識を始める年齢です
石田ゆり子は52歳
終活なんてまだまだですが、周囲で突然倒れる人が出始める年齢です
自分ももしかしたらもしかするかもと考える年代なのです
小池栄子41歳、伊勢谷友介45歳
なんで自分が・・・と思い、足掻く気持ちが止まらないでしょう
松坂桃李は33歳
広瀬すずは23歳
この二人は人のいのちの灯が如何にはかないものか数多く目撃します
萌ちゃん役の佐々木みゆは10歳
この娘の未来は始まる前に終わってしまうのです
このようにすべての年代に対して、いのちの終わりについて考えるきっかけになるように、配役されて撮られていたのだと改めて思い至りました
誰もが停車場で降りる時がきます
ずっとバスに乗っていることは出来ないのです
次停まります
でも自分でボタンはおせません
ここで降りるんだと運命が決めるだけなのです
自分にも降りる停車場があるはずです
もしかして次の停車場かもしれないし、ずっと先の停車場かも知れません
その間、どう生きるのか?
ウトウトと居眠り?
車外の風景を見る?
手元の本をよみふける?
仕事のことをあれこれ考える?
きっともう着いたのかと突然のことなのでしょう
もしかしたら、もう早く降りたいのに降りられずにいることになるのかも知れません
そうならないことを切に願うばかりです
蛇足
金沢とは昔から縁があって、何度も訪問しています
本作で撮影されたように絵になる美しい光景ばかりの街です
京都より日本情緒を味わえる街だと思います
犀川沿いのW坂と桜坂
浅野川沿いの、梅の橋、浅野川大橋、主計町茶屋街、暗がり坂
劇中で白石咲和子が父と治部煮を食したのは、浅野川にかかる梅の橋のたもとの「八郎すし」だそうです
和風ポタージュというような、治部煮をまた食べてみたくなりました
大昔に、主計町のあるお茶屋さんに昼時にはいって、加賀のお殿様の野点のお弁当を模したという引き出し式の三段の重箱に入った美しい加賀料理の数々に、この治部煮がついているものを頂いたことを思い出しました
甘い醤油味の汁で煮こまれた具材にわさびの辛さがアクセントになって、とろみに包まれたやわらかな鴨肉や野菜が楽しめる料理です
昔は遠くて飛行機で行く北国だったのに、北陸新幹線が出来て腰が抜けるほど早く金沢に着くのです
コロナ禍はまだ収まってはいないようですが、そろそろまた訪問したい街です
生・病・老・死であふれるこの世界で行われている「選別」と今生きている私たちの選択
本作は金沢の寂れた診療所から派遣される医療従事者と
その利用者との交流を描いている。
「覚悟」を決めた者たちがいる一方で、どうしても生きたいと「願う」者たちもいる。
「命とはいったい誰のものなのか?」という答えのない問いを突き付ける感慨深く、そして心温まる作品。
特に印象的だった2つのシーン。
いずれも生きるのをあきらめたくなかった患者さんと
あきらめさせたくなかった「医師」のシーンだ。
一つは主人公白石医師ががんで苦しむ昔馴染みの女性を新薬での治療を試みたものの
亡くなってしまったシーンで悲しみに暮れる白石医師に診療所所長仙川がそっと語りかけるシーン。
「新薬が開発されれば、がんの人でも寿命が20年延びるそうです。そんなことになれば日本は全員餓死してしまいます。」
笑えない。だが、この言葉で白石医師は幾ばくか楽になったのではなかろうか。
もう一つは医師国家試験に落ち続けている不器用な野呂青年と小児がんで治る見込みがなくなってしまった少女との交流。
私は世代も性格も彼に似ている(容貌は別として)と感じたため、つい感情移入してしまった。
彼の思いと行動、そして彼女の死を契機に決断した選択は私に勇気を与えるものだった。
この世界は苦しみにあふれている。だからつい「考えてしまう」。
もちろん、そんな時期があってもいいし、そういう時期がないと人間として深みや厚みが出ないと私は考えている。
でも、そんなことばかり考える必要もなくなった。
「誰かの役に立ちたい」
ただ、その思いに従って生きていけばいいのだと。
私ごときが吉永小百合の演技にケチをつけるなど100年早いのかもしれ...
つらいシーンの連続。
奇を衒わないオーソドックスな日本映画。
吉永小百合さんをリスペクトする人が、
スタッフやキャストの中に
たくさんいるんじゃないでしょうか。
ゆっくりとっしたテンポ、静かな音楽…
吉永さんを活かすための演出で溢れている
というように感じました。
吉永さんは、内科医の役。何人かの患者が順番に
登場し、医者とのドラマを描いていくというような展開。
それはいいんですが、重病・重症の患者が多くて、
見てるとつらすぎです。何度も、泣かそう、感動させようと
してるのかもしれないけど、「お涙ちょうだい」が
透けて見えて、かえって心に刺さりませんでした。
吉永さんが院長に抱きついたり、涙するシーンが出てきますが、
そんな医師はいないんじゃないかな。患者の死に対して、いちいち
泣いていちゃ、医師という仕事は務まらないように思います。
吉永さんは、さすがの演技、共演者も良かったけど、
私には、この作品は合いませんでした。
好きなひとは好きなんでしょうけどね。
命と向き合い、命に寄り添う医師達
本作は吉永小百合主演作であり、末期患者の在宅医療という極めて今日的な問題に真正面から迫ったヒューマンドラマである。真摯に命と向き合い、優しく命に寄り添う医師達の姿は感動的である。コロナ禍の今、奮闘している医療従事者の方々の姿と重なり、非常にリアルに感じられた。
本作の主人公は、大学病院の救急救命医・白石咲和子(吉永小百合)。彼女はある事件で退職し、父・達郎(田中泯)が暮らす金沢の実家に戻り、まほろば診療所に再就職し在宅医療に携わることになる。当初は、救急救命との違いに困惑していたが、次第に在宅医療の大切さを知り、院長・仙川徹(西田敏行)、看護師・星野麻世(広瀬すず)、大学病院を辞め主人公についてきた野呂聖二(松坂桃李)らとともに、末期患者の在宅医療に懸命に取り組んでいく・・・。
吉永小百合も76歳であり、冒頭シーンでは年齢を感じさせる所作もあったが、さすがに肝心な場面では、毅然とした台詞、凛とした佇まいが際立っていた。作品を上手に牽引していた。やはり彼女には映画が似合う。映画スターという名前が相応しい。
際立ってはいるが、吉永小百合のワンマンショーになっていないのは、脇を固める俳優陣がそれぞれの演技力で存在感を示しているからである。父親役の田中泯の鬼気迫る演技。末期患者役の石田まり子の苦悩を内に秘めながら淡々と語る演技。特に、松坂桃李、広瀬すずは、気負いがなく、自然体の、のびのびとした演技で、吉永小百合やベテラン俳優達とは違うストレートで若々しい感性で未来と希望を作品に与えている。
物語は、様々な末期患者のエピソードを描いていく。安楽死問題にも迫っていく。どのエピソードも悲しく切ないが、観終わって暗い気持にはならない。熱いものが込み上げてくる。
どのエピソードでも、主人公達は、真摯に命と向き合い、優しく命に寄り添っているからである。主人公達が命を愛おしんでいることが画面から切々と伝わってくるからである。
2022 3本目(BD/DVD 2)
うーん。なんだかずっともったいない。
いのちと向き合っても、吉永ファンタジー
在宅医療で向き合ういのちの現場。
現役医師による小説を成島出監督が映画化。
吉永小百合が長いキャリア初の医師役。
松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、伊○谷○介、石田ゆり子、田中泯、西田敏行ら豪華キャスト。
公開中はコロナ真っ只中。さらに尊いものとされた“いのち”。
近年の吉永小百合映画の中では良作と思ったら…、
いつもと変わらずの吉永ファンタジーであった。
老老介護、終末医療、安楽死…。
患者一人一人のいのちの終い方、家族との関係。
東京の救命救急センターを辞め、故郷の金沢の“まほろば診療所”で在宅医となった咲和子。
院長の仙川、看護師の麻世、咲和子を慕ってやって来た元部下の野呂らが寄り添う。
題材的には悪くない。
が、話はベタで平凡。
深みもなければ突き付けられるような医療の現実も感じられない。
どんなシリアスなテーマを扱っても、綺麗事で理想的。
闘病や死の苦しみ、悲しみも感じられない。
出てくる人、皆いい人ばかり。雰囲気良さげなバーに皆で集まって会食、モノマネ。(でも、吉永小百合だけはしない)
感謝感謝、涙涙。
ヒューマン・ドラマなのに、何処までもハートフル・ファンタジーの世界。
金沢の美しい四季の風景には酔いしれるけど。
患者一人一人、平等に描かれているとは思えず。アンサンブル調だが巧みとは言えず、散漫。バランスが悪い。
後半の軸の小児がんの女の子。海が見たい彼女を連れて行く。ドラマ的には感動を誘うが、実際だったら如何なものか。リアリティーに欠ける。
末期がんの咲和子の父。安楽死を望む。咲和子の決断は…。踏み留まったが、父の望みを尊重しようとした咲和子の決断は医師なのに驚き!(吉永小百合と田中泯は同い年でさらに驚き!)
朝日が差し、命ある限り生きると美談で締め括られてもねぇ…。
挙げ出したらキリがない。
松坂桃李、広瀬すずも本来の実力を発揮しているとは思えず。
成島出は同じ医療題材で『孤高のメス』を撮ったが、雲泥の差。何が悪かったのかな…?
結局は今回も、日本アカデミー賞ノミネート有力の吉永小百合ファンタジー。
吉永小百合ありきで作られた映画
命のしまい方
新型コロナウイルス感染爆発して、新規感染者だけでなく、重症者や死亡者の数が日増しに多くなっているこの頃、危機的状況にあるからこそ「生きる意味」を問われているような気がする。
作家としても活躍する現役医師・南杏子さんの同名小説を成島出監督が映画化し、吉永小百合さんが自身初となる医師役に挑んだ社会派ヒューマンドラマでは、「在宅医療」を題材に患者やその家族との向き合い方を中心に人間ドラマが展開する。
在宅医療というと終末期医療と捉われがちだが、コロナ感染爆発に伴う病床逼迫で陽性者の多くが自宅療養を強いられたことからも分かるように、単に「通院&入院困難」な状態を指す場合もある。
ただ本作で描かれた在宅医療を受ける患者たちは、ガンならステージ4等の重篤な病を抱えていて、自宅で家族に見守られながら逝くことを望んでいる。
吉永小百合さん演じる白石咲和子は大学病院の救急医だったが、或る出来事が切っ掛けで辞めて実家がある金沢に戻り、そこにある西田敏行さん演じる仙川院長の「まほろば診療所」という在宅医療専門のところに勤めることになる。
咲和子は救急医療とは勝手の違う在宅医療に戸惑いながらも、広瀬すずさん演じる看護師・星野麻世のアドバイスやアシストを受け、そして咲和子を慕って来た松坂桃李さん演じる野呂聖二の協力を得て、少しずつ患者やその家族と向き合っていく。
その患者や家族との触れ合いのドラマから浮かび上がるのは、「命のしまい方」ということ。
それは「死」と向き合うことで、生きることを考えるということ。
咲和子も田中泯さん演じる実父・白石達郎の骨折を切っ掛けとしたドミノ式の重症化により、自らも向き合わざるを得なくなっていく。
描かれたドラマを観ていると家族との絆の大切さ、どう生き、どう人生を閉じるかを問われているような気がします。
在宅医療の難しさと命の重さ
浅く詰め込んだ作品
テーマがとっ散らかってる
無料鑑賞券をもらったので映画館にて。
吉永小百合はいつだって吉永小百合。存在感は確かだけど、救急医療のシーンはワンテンポ遅いというか緊迫感がなかった。登場人物が多すぎて尻切れトンボ感がある。
途中までは良かった
温かいお話と名優達の演技で、温かく感動する物語となっていました。
患者さん達との触れ合いはとても良かったです。
ただ、社長絡みのところはなくてもよかったのでは…と思いました。
そして、残念だったのは、終わり方。最後だけサスペンス的な幕の閉じ方で怖かったです。
途中まで良い映画だっただけに、もったいないなと思いました。
全157件中、21~40件目を表示