「限りある時間をどう過ごすか…問われる映画」いのちの停車場 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
限りある時間をどう過ごすか…問われる映画
原作は半分だけ読んでから鑑賞した。
最近、在宅医療をテーマにした映画を何作か観たけれど本作でも色々考えさせられた。
咲和子先生と野呂くんと麻世ちゃん。
そして仙川院長。
まほろば診療所は温かなパオだった。
本作を通して学んだことはたくさんある…
どんなに人にも死は平等にやって来るということ。高額な最先端医療。安楽死への課題とか…
私も悩みながら向き合った親の看取り方。
その選択が自己満足で間違っていたのでは…と後悔している私にとって在宅医療はとても関心がある。
〝いのち”との向き合い方って本当に難しい。
相談できる咲和子先生みたいな医師がいたらどんなに救われただろうと思う。
主演の吉永小百合さんは初医師役。
とても品がいい俳優さんなので大学病院の救命救急医には見えなかった。
けれど、在宅医の優しい咲和子先生にはぴったりだと思う。
石田百合子さん、柳葉敏郎さん、南野陽子さん、田中泯さんなど豪華な俳優陣が素晴らしかった。予想以上に泣けた。
そして、咲和子先生を慕って診療所にやって来た元病院職員を演じる松坂桃李さんや訪問看護師を演じる広瀬すずさんという若手キャストが本当に素晴らしい。
特に看護師麻世ちゃん役は私の広瀬すず史上最高の演技だった。
ラーメン屋シーンは号泣。
金沢の美しい風景が彩りを添えて、患者さん一人ひとりのエピソードや生き方が輝いて見えた。
医師と患者と家族…大切な人との限りある時間をどう過ごすのか?
最期をその人らしく迎えるために何ができるのか?
〝いのちのしまい方〟を問う映画。
余談
天は二物を与えますよね。
作家として活躍する現役医師・南杏子先生が朝イチにご出演されていてポテンシャルの高さにびっくり!
医師作家は何人かいらっしゃるけど、お医者さんになるような方は小説家としても素晴らしいということなのかもしれない。努力家なんだ!
救命センターの吉永小百合さんの後ろに南先生が映ってましたよ〜