「【”集団自決ではなく、集団強制死という言葉を使って欲しい・・” 沖縄戦で”友軍”は民に何をしたのか・・。何が起きていたのか・・。】」ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”集団自決ではなく、集団強制死という言葉を使って欲しい・・” 沖縄戦で”友軍”は民に何をしたのか・・。何が起きていたのか・・。】
ー第二次世界大戦末期、沖縄で何が起きていたのか? それを、解き明かすドキュメンタリー作品。当時の奇跡的な生存者の方々の言葉が重い。-
■印象的だった事
1.アメリカ軍が上陸地として沖縄を選んだ一つの理由
-”日本本土と沖縄とでは、人種的な違いはないが日本本土の人々は沖縄を差別する傾向がある。なので、沖縄に上陸しても大多数の日本人の更なる憎悪を生む可能性は低い”
という当時のアメリカ軍の分析・・。-
2.教育の大切さ(誤った価値観を民に植え付けない)
・戦陣訓の”生きて虜囚の辱めを受けず”の一節や皇民化教育の影響により”洗脳された”沖縄の人々の、幾つかのガマ(鍾乳洞)での悲惨な事例をガマの中で語る男性の言葉。
ー日本軍の指示であるという説と、否定する説があるが、今作品では沖縄の人々に対する(全国民と言い換えても良いであろう。)が背景にあると語られる。ー
・そして、”「集団自決」と言われるがそうではない。「集団強制死」である” と強く主張する男性の言葉。
3.対馬丸撃沈の事実を詳細に語る、奇跡的に生き残った女性の言葉。
4.15歳以上の男子は、兵力として駆り出され日本軍を助ける役割を強制されていた事実。そして、女性たちも・・。
ー少年兵による「護郷隊」については、傑作ドキュメンタリー「沖縄スパイ戦史」で詳細に語られている・・。-
<第二次世界大戦末期の対米戦で、唯一住民を巻き込んだ沖縄の地上肉弾戦で何が行われていたのか・・。
その生々しさを”正視するのがキツイが、”日本人であれば”見なければいけない多数の写真”と、貴重な証人の方々の言葉で描き出したドキュメンタリー作品。
生き証人の方々の多数のインタビュー含め、ガマの中の映像など、今作制作陣の反戦の強い思いが伝わってくる作品でもある。>
<2020年8月30日 刈谷日劇にて鑑賞>