愛を込めて アントーシャのレビュー・感想・評価
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ぜんぜん知らなかったアントン・イェルチンのこと。
『君が生きた証』が大好きな人間として、アントン・イェルチンのことは人並みよりは注目していたし、イェルチンが音楽活動をしてることも、その才能も知っていたつもりだった。
しかし、家族が撮ったファミリービデオ、本人が幼少時から撮っていたビデオ作品、友人知人の証言などからなるこの伝記ドキュメンタリーを見ると、どれだけ貪欲に人生を謳歌していた人だったのかと驚き、本当にごくわずかな部分しか見られていなかったことを思い知る。
ロシア代表のフィギュアスケート選手だったがユダヤ人迫害を避けてアメリカに移住した両親のこと、同世代の共演者たちとの絆、写真家としての表現欲、多くの人が知らなかった難病のこと、そしてスコセッシと『タクシードライバー』にオマージュを捧げるはずだった初監督作のこと。
若くして亡くなった人なので、センチメンタルな要素は避けられない。しかしそれ以上に、才能あふれる表現者のドキュメンタリーとして目が離せない。ひとつ余談を書いておくと、いろんなスターが思い出を語る中で「アントンは前髪の後退をすごく気にしてた」とバラすウィレム・デフォーとそのコメントを残した監督、なかなかのタマだと思いました。
※iTunes storeで日本語字幕付きで観られます。
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