クシナのレビュー・感想・評価
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神話とお伽話にリアリティが付与されたなら・・
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日本書紀における櫛名田比売(くしなだひめ)の物語をベースに、おそらく監督自身の生い立ちと重ねられたこの物語はかつて経験したことがないほど観客を遠ざけた物語となっている。舞台は恐らく紀伊半島の山の中の廃村。その描き方はかなりリアルだ。しかしその生活の実態はかなり削がれており、幻想的で映像言語のみの表現でその内容の汲み取りはかなり困難である。それにもかかわらずこの映画を無視できないものは、一見自主映画っぽい設定や演出の中にも登場人物を構成する完成度の高いキャスティングは見事であり、この映像作家(あえて今回はこう呼びたい)の今後の活躍に嫌が上でも期待が集まるからである。
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