「面白かった」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった
普通に面白かった。まあ、この設定だったら面白いよね。
ヒロインの婚約者が主人公のライバルではあるけど、普通にいいやつで、敵をやっつけることにも貢献しているところが良い。昔の映画だったら嫌な奴という設定にしそうだけど、今の時代らしい。そして主人公も無理やりヒロインを追うというわけでなく、ヒロインの幸せを願って別れる、という。これも良い。
最後にスパイダーマンが出てきたのは、もともと原作のヴェノムはスパイダーマンの悪役という設定だったからだろう。スパイダーマンの悪役のヴェノムはマルチバースの違うヴェノム、ってことにするんだろうか。
そういえば、「赤いやつはヤバい」ってセリフは、もしかしてスパイダーマンのこと!?
人外の危険な存在が主人公に寄生し、身体を共有する → 寄生体と人間は全く価値観が合わないが、身体を共有しているので利害が一致しており、協力せざるを得ない → はじめは激しくケンカしたりするが、だんだんお互いのことを理解していき、寄生体は人間の価値を発見していく。
こういうストーリーのもの(もしくは類似のもの)はたくさんあって、本作はその典型的なもの。こういうのは話が作りやすくて面白くしやすい。「バディもの」の一番面白いところを極端にした感じ。
主人公とヴェノムの関係は「うしおととら」に似てるかな…。対等な友人関係で、どちらも粗暴でどちらも抜けているところがある。「呪術廻戦」の宿儺と虎杖や、「NARUTO」の九尾とナルトは、寄生者の方が上な感じ。
寄生者と宿主が対等な友人関係という設定で一番名作だと思うのは「寄生獣」。ハリウッドで映画化してほしい。邦画はちょっと残念だったので。
人外の存在が寄生して1つの身体を共有する、というのをSFで一番はじめにやったのはなんだろう?と考えてみた。もしかしたらアレかな。「ウルトラマン」の元ネタの、「20億の針(1950年)」。SFじゃなくていいのだったら、西洋でも日本でも昔から「悪魔憑き」とか「狐憑き」とかあったし、ギリシャ神話でも神が憑依するなんて話があるから、すごく起源の古い物語のパターンなのかも。