「“エイリアン”と人間のバディ映画」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
“エイリアン”と人間のバディ映画
前作に引き続き、ヴェノムがかわいいバディ映画。人間の脳みそを食べられないヴェノムと、ヴェノムの声に昼夜悩まされるエディ。互いに不満を抱える二人はケンカもするし、仲直りだってする。そして最後にはふたり協力して敵を打倒し、愛の逃避行への洒落込むのだ。
と、言えばほんわかするバディものなのだが、そして間違いなくそういう見方ができるし推奨されているような気もするのだが、もちろん“残虐”な面もある。
ご存じ、今回の敵であるカーネイジのことだ。前作とは比べ物にならない量の殺戮を繰り返し、宿主であるクレタスとも彼の花嫁の扱いを巡って反発する。ヴェノムもカーネイジもわがままであることは共通しているが、カーネイジはヴェノムよりもずっと身勝手で、そして残虐だった。
まあ、年齢制限のない映画だからそんな描写はないけれども。
ゆえに、だろうか。全体のストーリーはかなり良かったのだが、ラストバトルの決着はちょっと微妙だった。カーネイジとクレタス夫婦がうまくいかなかったことか原因…みたいな。
エディは(結果的に)彼女よりもヴェノムをとった。クレタスは彼女もカーネイジも手に入れようとした。浮気するやつは負けて当然…なんて考え方もあるかもしれない。
と、ヴェノムとエディとの対比やストーリー全体を考慮すれば『アリ』ではあるが、バトルとしては物足りない…バトルはバトルでケリをつけてくれれば大絶賛だったのだが。
と、こんな感じで楽しんで観ていたのだが…エンドクレジットを見た瞬間、全てが吹っ飛び、大変興奮してしまった。映画館でなければ叫びたかった。
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