「【テンポもノリもサクッとした映画】」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ 山のトンネルさんの映画レビュー(感想・評価)
【テンポもノリもサクッとした映画】
見どころはどこかと聞かれたら、エンドロール前のエンディングの映像と音楽と答えたい。
◉音楽
Last One Standing
Song by Skylar Grey
映画館の充実した音響の効果もあってか、ラストに聴いたこの曲はF1レースを走り終えた後のような爽快感があったように思う。また、映像がヴェノムをテーマにしたアート作品かのような仕上がりであった。
それはさておき、Skylar Greyという歌手に出会えたことは、この映画を見て良かった点といえる。Skylar Greyは『アクアマン』の主題歌も歌っている模様。
◉あらすじ
たまに悪人の頭を食べつつ、最近はトリの頭とチョコレートのフェニルエチルアミンで生き延びるヴェノム。ある日、ジャーナリストの仕事のために、刑務所にいる男を訪問する。なんやかんやあって、その男がヴェノムの細胞を獲得。敵として戦う。勝利。
◉感想
まさに消費されるコンテンツのお手本のような作品。次回のスパイダーマンとの共演につなげるためにつくりました、以上ですという映画。
◉そう感じた理由
今回の『ヴェノム2』は上映時間が98分と、最近見た『そして、バトンは渡された』『DUNE』『エターナルズ』に比べて短い。そのおかげで颯爽感のある仕上がりになっている。一方で、淡々と場面が切り替わる演出などにより、それぞれの登場人物に対して自身の感情があまり動かなかった。特に、敵キャラの掘り下げが甘いことなどが原因で、戦いのシーンを見ている際に危機感のようなハラハラ感やドキドキ感がなかった。
なんだよ、赤はヤバいって(笑)
敵キャラが想像以上に陳腐なんだが…
やはり前作の敵の方が強者感があったし、ヴェノム1人では倒せない敵に対して協力するアンの存在の描き方や、敵を倒すまでのストーリー構成が今作に比べて秀逸だったと感じる。
◉後日談
公開日と事前の評判のために良いスクリーンで鑑賞できるということで見たが、これなら『ミラベル』や『ディア・エヴァー・ハンセン』などの方が良かったかも。
◉名言
・「愛するということは、全てを受け入れるということ。欠点も含めて。」
最近、バチェラーや『彼女が好きなものは』を見て、恋と愛について考えていたから引っかかったセリフ。
・「事実は真実の敵」
意味深な言葉のため、妙に気になったセリフ。