「コミックと映像の表現バランス」ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ ヒックス伍長さんの映画レビュー(感想・評価)
コミックと映像の表現バランス
前作ヴェノム(2018)の続編。
監督はアンディ・サーキス。
個人的には前作ほどのインパクトは感じられなかった。
もちろんCGとはいえ、カーネイジはグロテスクでそれなりに迫力はあった。
ただ、戦闘シーンはごちゃごちゃして観づらいし、クレタス及びカーネイジの残虐性が今ひとつ分かりづらく、クレタスが殺人者になるまでの過程をアニメ化したのが良く言えばかわいいが、悪く言えば描写が鈍重になった感じがする。
コミックの実写化だし、ヴェノムの作品性としてデッドプールのようなコメディ路線を狙っているのならもちろん大歓迎だしそれに越したことはないが、それなら下手に人種やLGBT問題に対するマイノリティを美的に肯定するセリフをヴェノムに言わせるのは、脚本的には間違ってると思うし、キャラクターとしてはデッドプールほど確立されてない。
おそらくデッドプールならあの場面では少なくとも
「別に黒人はどうでもいいが、おれはゲイには興味はねえ」
と吐き捨てるはずだと思う。
そういう意味でのシンビオートの無機質な残虐性と人間エディとのギャップをどこまで描けるかに期待したい。
そして、言うまでもないが、エンドクレジットでのスパイダーマン及びMCUへの加入によるマルチバース化の展開は当然期待度MAXでもある。
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