「シニカルかつ軽妙なアレン節に酔う粋な逸品」レイニーデイ・イン・ニューヨーク エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
シニカルかつ軽妙なアレン節に酔う粋な逸品
ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスなどピチピチの俳優たちが共演したウッディ・アレンの新作。雨のNYを舞台に描く甘くもほろ苦い人生賛歌。甘さと苦味のバランスが絶妙で、シニカルかつ軽妙なアレン節に酔う逸品でありました。
メインはシャラメが演じるギャッツビー。彼にとって人生のターニングポイントとなる大切な一日が描かれた。彼がピアノを弾き歌うチェット・ベイカーがロマンティックで素敵だったなぁ。惚れてしまうだろうが。
天然でおバカなアシュレーを演じたファニングが上手かった。アレン作品には欠かせない所謂コケにされる役回りを見事に演じた。
そしてセレーナ!彼女が美味しいところを持っていきましたね。姉の彼氏だったギャッツビーに対する長年の恋心を包み隠すかのようなクールな振る舞いにキュンキュンした。
これまでに嫌というほどの名作を撮ってきたヴィットリオ・ストラーロのカメラも秀逸。『生きる世界遺産』とでも言いたくなる。
今作には天国の淀川さんに観せたくなるような本物の『粋』がありました。今年のベストの一本だろう。
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