「アレンの疑惑のために、微妙な気持ちを味わいながら鑑賞。」レイニーデイ・イン・ニューヨーク yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
アレンの疑惑のために、微妙な気持ちを味わいながら鑑賞。
ティモシー・シャラメは『ストーリー・オブ・マイライフ』よりも若干若く見えるけど、役作りのせいかな?と思っていたら、本作の方が先に撮影されていたんですね。
本作は2018年には撮影を完了していたようですが、ウディ・アレンの女性虐待疑惑のためにしばらくお蔵入りとなっていました。その経緯を踏まえると、本作の描き方にいろいろ気になるところが。
シャラメは野暮ったい服装をしていても猫背でも、相変わらずシャラメでしかないのですが、この容姿は明らかにアレン自身を投影していますね。もう一人の主人公であるエル・ファニングに絡む男性達も、よくよく見てみると、人の話を聞いているようで聞いていないところも含めて、どことなくアレンを彷彿とさせるところが。
その上で先のアレン自身のスキャンダルと重ね合わせると、エル・ファニングの役柄を通じて、こんな純真無垢な若い女性が話しかけてきたら、男はみんな参っちゃうよね、っていう言い訳をアレンがしているよう見えてしまいます。
本作に出演した俳優達がその後出演料を返上して、MeToo運動に関連した団体に寄付しているところから、出演者自身が本作に対していろいろ思うところがあるんだろうなー、と妙な勘ぐりは更に深まるのであった…。
そんな余計な予備知識を持たず、純粋にコメディとして楽しみたい、と思ってはいても、やはり物語の収まりの悪さが目に付く不思議。
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