「森山大道さんを知ることができたことは収穫」過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
森山大道さんを知ることができたことは収穫
ちょっとどうしようか?悩んでいた作品です。
知らない方のドキュメンタリーってことでしたしね。
でも世界的に評価されている方には興味があるので
鑑賞。
80歳でも現役。
ファンが居て、バンバン写真集売れて
フランスから表彰される。
素晴らしく著名な写真家なんですね。
その方を垣間見れる作品です。
そしてその稀有な才能を世に知らしめる
(今回は写真集再編集〜発行)ために
活動する方々の仕事を知ることもできます。
そして、写真の力のすごいこと。
光と影かぁ、、、。
良し悪しはわかりません。芸術性もわかりません。
ただ、森山さんの写真、カッコいいっておもいました。
僕には初見の作品ばかりです。
ほんの一部なんでしょうが、かっこいいなぁって。
森山さんもかっこいいのです。
その一言一言もそうですが、
佇まいというのでしょうか存在が。
ぽつぽつと話す中平さんの思い出話とか、
スナップのために街を歩く姿が。
そこから見えるのは、ブレない写真への思い、情熱。
いや、写真=生活=生きることに
なっているかのようです。
写真を特別なものと捉えていないところ、
生き様、人そのものにに惚れてしまいそうです。
潔さみたいなものが作品に出ているのかなぁって
思いました。
ただ、本作は写真集販売促進映画ですよね?
ホワイトシネクイントスクリーン出口で写真集販売してる
人がいましたし、出口の向かい側では森山さん作品の
プチ展覧会を開催中。
あぁ、そうか、だからこの写真集の製作工程を描くのに
半分以上の時間を費やしていたのか。なるほど。
まぁ、写真集の制作工程がわかりましたし、勉強になりました。
芸術作品の写真集が高い理由がわかりましたしね(笑)
多くの方々の労力と情熱が注がれています。
ただ、そのような作りだったとは・・・観てから後悔しました。
森山大道さんの入門編としては良い映像でしょうが、
本人についての何かを浮き彫りにするドキュメンタリーでは
なかったのです。それは残念です。
なぜ、このような作品を作るのか?撮るのか?
中平さんとのエピソード(中平さんの病後など)など
知りたいことがたくさん出てきました。
写真集がたくさん売れてお金ができたら、
どうか森山さんのみを対象にしたドキュメンタリーを
制作していただきたいです。
そうしたら、本作の題名の意味を理解できるかもしれません。
映画作品としては残念な一本でした。