「蜘蛛の巣?気付かなかったなあ。天井なんて見なかったからなあ。」ホテルローヤル 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
蜘蛛の巣?気付かなかったなあ。天井なんて見なかったからなあ。
世の中は、男と女しかいない。そして本能として性欲がある。その先にはただならぬ男女の関係もある。それを汚らしいと綺麗事を言う人もいる。そんな一切の事を知らずに、世の中のきれいなところだけ見ていてある時急にそれを見つける人もいる。そう、ベッドに横たわって蜘蛛の巣を見つけた雅代のように。
人間は他の動植物と違って文明を持っているが、自然界の中のちっぽけな一員でもある。まるで、広々とした湿原のなかにぽつんとある、ちっぽけなラブホテルみたいな存在だ。だけどその中では、いろんな人生を生きている男と女が、シャワーをあびて、ベッドに横たわり、身体を絡ませている。そんな場所が非日常の人もいれば、そこが日常の人も、またいる。世の中って、いろいろ。
設定は興味深く、登場人物たちの人生模様も悲哀にあふれてた。だけど、なんかそれぞれ(特に母)がそうなっていく心情の過程が薄い。物足りなさはそこか。
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